原発事故269
NHKの首都圏スペシャル「“原発からの避難”追跡75日」という番組に出演した。
原発立地市町村の双葉町は、埼玉県加須市に役場ごと避難した。
住民は1400人いたが、2ヶ月半たつなかで1000人ほどになっていった。
ふるさとの情報がほしいからと、福島にもどる人たちも出てきている。
全国各地に避難し、散り散りになってもいる。
原発事故の収束のめどが立たず、放射線汚染の状況を考えると、しばらく加須市で生活するのが最善だと思う。
しかし、なかなか住民は割り切れない。
まわりの企業も正社員で雇おうとするが、それを喜ぶ人もいれば、いつでも福島に帰れるようにアルバイトを希望する人もいる。
尾瀬の近くの片品村には、福島から約1000人が移動した。
新潟県湯沢町、栃木県那須町、群馬県草津町など、観光地の旅館は、半分はボランティアで、半分は安い滞在費、多くは受け入れ側の町の負担で、サポートしてくれている。
体育館で避難している人たちよりも恵まれた環境にある。
しかし、夏のかきいれ時になると、観光地の負担が大きくなる。
支える側も、避難している側も、厳しい状況に追い込まれているのだ。
現在、片品村に400人、新潟県湯沢町670人、栃木県那須町220人。
避難している人たちのつながりや絆をどう結び付けていくか、大きな課題も見えてきた。
健康や命は大事だから、避難することが第一。
だが、同時に仕事や収入、生活なども考えながら、絆についても配慮する必要がある。
避難者が高齢者なのか、働き盛りなのか、子どもなのかによって、配慮の仕方も違ってくる。
そろそろ3ヶ月。
被災者を長期的に支える方法を、全国民が考えていかなければいけない時期が来ている。
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