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2011年6月12日 (日)

原発事故273

NHKの「あさイチ」に、コメンテーターとして出演した。
「ママたちの決断」に出ていた母親たちは、さまざまな決断を迫られていた。

ある女性は、放射性物質が怖くて、いわき市から3人の子どもを連れて、旧赤坂プリンスホテルに宿泊中。プライバシーは保たれるが、経済的な負担がたいへんだ。
夫は福島に帰ってきてほしいと望んでいる。
いわき市の大気中の放射線量は、0.24マイクロシーベルトくらい。
小学校のグラウンドは0.23マイクロシーベルトくらい。
不安なんだと思う。

避難すると、大げさだといわれることがある。
子どもを避難させるために、周囲に隠して、東京と福島を行ったりきたりしている人もいる。
いわき市では避難していることを言えない雰囲気があると言っていた。

避難する人も、避難せず残る人も、お互いに被害者でありながら、相手を批判的に思ってしまう。いたたまれない。

一時、東京に避難して、福島にもどってきた人もいる。
夫も、子どもたちとの生活を喜んだ。
元の生活がもどったように見えるが、幼稚園では外遊びを自粛しているため、ストレスが大きい。夜うなされるようなことがある。
もっとのびのびと遊ばせたいという。
子どもをのびのびと遊ばすことができない不安と、外で遊んだときの被曝の不安。
両方の不安にさいなまされている。

東京都の教育委員会が用意した避難施設に、8歳の男の子を預けている親がいる。
母親は、毎日、子どもに手紙を書き、1ヶ月に1度会いに行く。

子どもからの返事にこうあった。
「ママ大嫌い、もう会い来なくていい。会社の人に迷惑かけるからいい。さびしいことも思い出すからいい。でも被曝したり、死んじゃったりしないでね。早く帰れるといいな」
子どもの思いは正直である。

この人の住む二本松は、大気中の放射線量は1.61~0.22マイクロシーベルト。
校庭2~3.18マイクロシーベルトだが、5月中旬に表土を削り取っているので、もっと低下しているはず。

あらためて子どもをもつ親たちの不安の大きさを感じた。
これをどう解決していったらいいいのか。

まず、校庭の表土は削り取り、その後の経過も測定し、オープンにしていく。
文部科学省の示す3.8マイクロシーベルト以下ならいいと思わず、わずかでも子どもたちを被曝させない努力が大事である。

それから、身近な地域の「安全マップ」を作成すること。
たとえば、母親たちのグループで一台、線量の測定器を持ち、子どもたちの生活圏を細かく測定していく。
通学路の脇の草むらや花壇などに、放射線量が高いところが多い。
アスファルトの道路はそれほど高くなくても、路地を一本入ると、まったく違う。
モニタリングポストの値が低いからといって安心しないほうがいい。
自分たちの町の汚染状況を知って、子どもを守ることだ。

子どもにどう行動させるかは、最終的には親の判断による。
保育園や学校でも、全員一緒というのは無理。
教育委員会がグラウンドで運動できると判断したときは、それに従う人がいていいし、参加させたくない親は自粛を申し出てもいい。
強制しないことが大事である。

震災発生から3ヶ月。
時間はかかるかもしれないが、子どもたちが安心してグラウンドに出られる日が来ることを祈っている。

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