原発事故283
お茶は1キロ当たり500ベクレルがEUの基準値であるが、空輸された静岡のお茶からセシウムが1038ベクレル検出されたと、フランスが発表した。
静岡県知事は、お茶を飲むときにはもっと薄まる、心配ないなどと談話を発表していたが、見当違いも甚だしい。
こういうところから風評被害が生まれるのである。
鮮やかな花が咲く諏訪中央病院の庭
生茶葉と荒茶を同じ基準で規制する政府の方針に、お茶の業界は納得していない。
乾燥している荒茶は重量が軽いので、もっと基準値を緩和してほしいと思っているのである。
しかし、日本の商品を輸入する側になって考えてみる必要がある。
かつてチェルノブイリ原発事故が起きたとき、ヨーロッパのお茶に対して、日本でも厳しい感覚で対処しようという人たちがいた。
今回、フクシマが起きてしまったわけだが、厳しい見方をする相手の立場にたつことは、日本の国民の健康を守ることにもつながる。
日本とEUは水と牛乳の暫定基準値はセシウムでともに1キロ当たり200ベクレル。
野菜類も、肉も、魚も1キロ当たり500ベクレルだ。
日本国内には、この暫定基準値が甘いと考える人もいるが、アメリカでは水や牛乳は1キロ当たり1200ベクレル、野菜や肉も1200ベクレルを指標値としている。
それに比べれば、日本とEUは厳しい数値を使っているのがわかる。
これを徹底的に守ることである。
内部被曝が怖いので、1ベクレルもよくないという学者もいるが、それはそのとおり。
できるだけ1ベクレルでも余分な放射性物資発は取り込まないように努力すべきである。
しかし、1ベクレルも許さず、飲料水や野菜や肉や魚を市場に出すのは今の時代、難しい。
世界の最も厳しい基準値を日本の基準として使い、それを守ること。
それが、日本全体の風評被害を防ぐために大事だと思う。
そして、それぞれの国のなかでどう生きるかは、それぞれの自己決定でいいのだと思う。
まず、二度と、今回のフランスで廃棄処分されたお茶のようなことが起きないように、ルールの徹底化を図ることが大事だ。
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