政治家がすべきこと
古ぼけた写真が見つかった。
諏訪中央病院の元院長、今井澄さんは1995年当時、参議院議員をしていた。
チェルノブイリを視察したいというので、一緒に行った。
ゴーストタウンとなった原発労働者の町プリピャチを視察しているところだ。
放射線防護服まがいのものを着て、マスクをしている。
この国のルールは急変する。
30キロゾーンにまったく入れない厳しい時期と、申請すると簡単に許可がでる時期、ときには観光まがいに、お金を出すと入れてくれる時期、説明者がついたりする時期もあった。
今井先生は国会議員を10年続け、その任期中に病気で亡くなられた。
鳥の目をもった、すぐれた政治家だったと思う。
とてもかなわないと、彼を見ていて思った。
今井先生が今生きていたら、福島の問題ももっと違った形で対処できたのではないか。
おそらく厚生労働大臣をやったのではないか。
実は、ほくは何度も政治に出ることをすすめられれたことがある。
しかし、政治の世界に出ようとしなかったのは、今井先生を見て、とてもかなわないと思った。身の程を知ったのである。
IMDが毎年発表する国際競争力ランキングで、59カ国中、日本の政府効率性は50位だった。
環境技術などはすぐれていて2位。
本当に政治の力は弱い。
財政状況の健全性は58位。
財政的危機に瀕していながら、小異を捨てられない大人気ない政治家たち。
うんざりである。
内閣不信任案が提出されたが、結局は否決。
与党も、野党も、子どもじみている。
猿山の猿。ボス猿になりたいための戦いはもうしばらく結構だ。
もっと被災者のことを考えるべきだと思う。
本物の政治家なら、東北のことも、日本の財政のことも、本気で考えてほしい。
こんな国会をしているなら、国会を休会し、国会議員は避難所に泊まってみるといい。
福島原発の敷地内で、作業員たちと2、3日一緒に共にしたらいい。
現場で何が求められているか見えてくるはず。
超党派で分担を決め、復興計画を考える人、新しいエネルギー政策を考える人、分配が滞っている義援金の流れをつくる人・・・優秀な官僚と一緒になり汗をかいて国民のために働くことが求められている。
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