原発事故287
7/1付けの朝日新聞に、国境をまたぐ大送電網構想という記事が載っていた。
北アフリカのモロッコの砂漠のなかにあるウジュダで太陽熱発電をし、スペインに向けて、地中海の底に直流送電線を敷設する。
このことはぼくは、すでに1年前、モロッコを旅し、『ウエットな資本主義』(日本経済新聞社)のなかに書いた。
政府や電力会社は原発のコストが安いと言っているが、実際には天然ガスや水力発電のほうが安いという意見もある。
まちがいなく今回の原発事故で、賠償金やより高い安全性のハードルをクリアしていくとすれば、原発はもっと高い電力なるだろう。
もともと安くない原発の電力が、もっと高くなるのだ。
しかも、原発の使用済み燃料の行き場所がないという大きな問題がある。
再処理費用は実際よりも少なく見積もられたり、100年近くの年数、再処理にかかるコストも入れれば、膨大なコストになるはずである。
原発一基を誘致するのに、450億円の交付金が税金から出ていく。
これも、原発で電力をつくるための必要経費なのである。
こういうものをすべて足していけば、膨大なコストになっていく。
昨年、訪ねたモロッコ
太陽光発電はまだまだコストが高いが、技術革新と普及によって価格は低下していくだろう。すでに2010年、一年間で原発一基分に相当する100万キロワットを突破した。
天候に左右され稼働率がよくないという太陽光発電だが、原発だって点検のたびに休んだり、いまは再開が認められず休止している期間が長い。
太陽光発電が普及するように政策誘導して、発送電の分離をきちんと行えば、毎年、原発一基分の電力を自然エネルギーに切り替えることはそんなに難しいことではないと思う。
それまではしばらく、天然ガスの発電でしのぎ、自然エネルギーを広げていくことが大事なのではないか。
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