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2011年7月15日 (金)

鎌田劇場へようこそ!(77)

「海洋天堂」

カンフー映画のヒーロー、ジェット・リーがいい。

父親は、肝臓がんで限られた命である。
息子は21歳で自閉症。
妻はすでに亡くなった。

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父親は自閉症の息子に、自分亡き後の生き方を丁寧に教えていく。
水族館でイルカと遊んだり、亀と泳いだり、自分がいなくなった後も、息子に大切な絆ができるように、父は死の準備をしながら必死になって動き回る。
こんなにも人を愛し、愛されるというのは、すごいことかと思う。

父親の必死さに、周りの人たちが変わっていく。
父親がいなくなっても、息子を面倒をみようという人たちが出てくる。

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一度は脚に紐を結び、海に飛び込んで無理心中をはかるが、泳ぎのうまい自閉症の息子はすいすいと泳ぎ、助かってしまう。
海の光景や水族館の光景が、とても美しい。

中国の政治スタイルは威圧的で、どうしても好きになれないが、こういう人間味あふれる映画をみると、いつか中国も大人になっていくだろうと期待させてくれる。

音楽は久石譲。
期待外れはない。見てお得な映画である。
心がぐんとあたたかくなること間違いなし。

最後の言葉がいい。
「平凡にして偉大なすべての父と母に捧げる」
ジェット・リーが平凡で偉大な父親を演じているのが、すがすがしく、魅力的だ。

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