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2011年7月 7日 (木)

本日、新刊発売

このブログで事故発生直後からずっと連載してきた原発事故の記事を中心に、救援や取材で入った福島や岩手、宮城で感じたことを、一冊の本にまとめた。

『チェルノブイリ・フクシマ なさけないけどあきらめない』(朝日新聞出版、1470円)

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鎌田が、怒っている。
貧しい情報公開に怒り、しだいに原発事故の実態が明らかになるなかで、さらに怒る。

放射能は嫌い。
原発も納得できない。
そう思い、チェルノブイリに20年間、94回医師団を出し、子どもたちの医療支援活動を行ってきた。
にもかかわらず、日本のチェルノブイリ化をとめることができなかった。

自分自身をなさけないと思い続けながら、「原子力村」「安全神話」「科学的」「大丈夫」という言葉に怒りをぶつけてきた。
「風評被害」「差別」「空気の読み遭い」
大嫌いなものがいっぱいあふれている。
この国を何とかしたいと思いながら、書き続けた。

「納得」「信頼」「発想の転換」「雇用」「絆」という5つの言葉を土台にして、困難な時代をどう生きるか考えてみた。
小異を捨てて、子どもたちにどのように手を差し伸べたらいいか考え、実践してきた記録である。
苦悩しながら、ポスト・フクシマの、新しい「生きる哲学」を考え続けている。

福島原発事故が起こる以前、チェルノブイリの汚染の地で生きる人びとや命のことを書いた『なげださない』(集英社)。
文庫化され、集英社のナツイチの一冊にもなっている。
こちらも、あわせてお読みください。

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