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2011年7月 4日 (月)

鎌田劇場へようこそ!(75)

「いのちの子ども」

イスラエルのドキュメンタリー映画。
イスラエルのプラパガンダだと思い、なかなか観る気になれなかったが、8月末、パレスチナ側からみた命の絵本を出版するので、念のために観ておこうと思った。
これが、傑作なのである。

イスラエル人の監督であるが、自分のポジションをニュートラルにしようと努力しているのがわかる。
先天性免疫不全のパレスチナの子どもを、イスラエルの医師と助けようとする。
カメラをまわして、お金を集めようとする。
そこへ、イスラエルとパレスチナの戦いで、息子を失ったという匿名の人物から、骨髄移植の費用500万円を全額寄付すると申し出があった。
このお金も含めて、イスラエル側が全部仕組んでいるのではないかという人もいるかもしれない。

Photo

しかし、この映画はドキュメンタリー。
パレスチナ人の子どもを守ろうとする母親の姿は本物である。
子どもをイスラエル人に助けてもらったとしても、聖地エルサレムを奪還するために息子がジハードの戦士になることもあり得るというところは圧巻。
ドキュメンタリーであるが、母親はまるで女優のようだ。
命に対してきちんとした哲学をもっているのがすばらしい。

イスラエルがガザ攻撃をするところも出てくる。
反対に、パレスチナ側からイスラエル側にミサイルが打ち込まれる場面も出てくる。
できるだけ、平等になるように配慮しようとしているのがわかる。

何度もテロ攻撃やイスラエル側の攻撃で、映画の企画がストップしかかるが、子どもの命を守ろうと必死になるイスラエル人やパレスチナ人がいることが救いになっている。
ガザ攻撃のなか、必死に安否確認をする姿は感動的である。

両国が小さな命を守り合うことで、お互いの憎みをときほぐしていくことができるのではないか。
平和という希望を感じさせる映画だと思った。

7/16~、ヒューマントラストシネマ有楽町で公開される。

http://www.inochinokodomo.com

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