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2011年8月16日 (火)

原発事故318

南相馬の除染にかかわりはじめた。
表土を剥ぎ取ると、放射線量は3分の1くらいに下がる。
さらにその上に汚染されていない土をかぶせると5分の1くらいに低下することがわかってきた。
雨どいの途中の枯葉などつまっているところや、雨どいで雨水が集まった土のところに高汚染があることもわかった。
日本瓦の屋根は溝のところに放射性物質が残り、部屋のなかでは屋根に近い2階の部屋のほうが高くなる。
屋根や雨どいを高圧線浄水で除染すると、放射線量が急激に下がることもわかった。
除染作業のジレンマを感じ始めたのは、このころからである。
除染した放射性物質をどこにもっていったらいいのか、ということだ。

1108094__ 諏訪中央病院の庭

高圧洗浄をした水は下水に流れ、下水処理場の汚泥に蓄積する。
いまのところ、これは仕方ないとされているが、下水場に集まってきた放射性物質の恒久的な除去を考えなければならない。

国は、除染コントロールセンターのようなものをつくり、汚泥や汚染された土をどうするか、地域のなかで議論しながら市民が納得する処理場をつくっていくしかないと思う。

核廃棄物をどう処理するか、事故によって放出された放射性物質の永久的な処理の仕方の答えを出さないかぎり、新たに原発をつくろうなんて絵空事のように思う。
福島の苦しみがわかっていない、20世紀型の経済優先オヤジの思想だと思う。

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