宮城県の虹の園では、障害のある人たちがピザハウス「ぱぴハウス」を運営している。
今回の大震災で、多賀城市と山元町にある二つのピザハウスが流された。
特に山元町は建物が根こそぎ流れされ、ピザを焼くレンガの窯も跡だけが残っている。
津波が襲い、ピザを焼く窯の跡だけが残る山元町のぱぴハウス
地震と津波が襲ってきたとき、障害者もその店で働いていた。
店の裏には山があり、その急斜面を登って、命からがら助かった。
虹の園では、障害のある人たちがピザハウスやお団子屋さんなどで働き、収入を得ている。
多くの障害者は月額約6万5000円の障害年金をもらっている。
あと3万5000円の収入を自分で得て、月に合計10万円を得られるようになれば、自立生活が可能になる。親がいなくなった後、将来の展望ももてる。
その目標が達成できるように、ぼくは8年ほど応援してきた。
目標の10万円を得るには、時給360円くらいが必要だ。
しかし、今回の大震災で障害者の仕事が減り、4月からは4割カットの時給180円になった。
たくさんの障害者たちがピザハウスやお団子やさんでまた働きたいと言っている。
なんとか復興させたい。
「鎌田實と命を語ろう」の生放送で仙台を訪ねた際、NHKの村上信夫さんが山元町にあったピザハウスの跡まで足を延ばしてくれた。
案内してくれたのは、ロッテドラフト一位の大リーガー加藤君だ。今は虹の園で障害のある人たちを支えている。
村上信夫さん(左)と案内する加藤君
多賀城にあるつつみ屋も、虹の園が運営するお団子屋さん。
「ここでの仕事はとても楽しい」と、お団子屋さんで働く障害者は言う。
多賀城のお団子屋つつみ屋で
そこで、機織で織られたストールを気に入って買った。3000円。
終戦の日の夜、「鎌田實と命を語ろう」の放送のため、仙台のスタジオに入ると、ゲストのサヘル・ローズが、このストールをほめてくれたので、プレゼントした。
サヘルは、これから仕事に行くときに、このストールを身につけてくれるということだ。
虹の園の手織りのストールは、サヘル・ローズにプレゼント
手作りでいい風合いである。
夏から秋にかけては、とてもいい色があるので、虹の園で買っていただけるとありがたい。
障害者の雇用拡大にもなる。
お団子は村上さんがたくさん買ってくれ、ゲストの人たちと食べた。
ゴマ、しょうゆ、あん、ずんだなどの味があり、どれもおいしかった。
虹の園では、障害のある人百七十数人が働き、自立を目指している。
それを支える七十数人のスタッフがいる。
お団子やピザ、パン、ジャム、お弁当などどれも本格的な味で勝負している。
ストールも、素敵だ。
宮城県に行かれたら、ぜひ、虹の園にお立ち寄りください。