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2011年8月31日 (水)

鎌田實の一日一冊(105)

「空白の天気図」(柳田邦男著、文春文庫、830円)

原爆によって壊滅した広島に、超大型台風が迫ってきた。
死者・不明者3600人を出した枕崎台風である。
原爆によって通信も組織も壊滅した状況下、自らも放射線障害に苦しみながら、観測と調査を続けた広島気象台のスタッフたちの闘いを描く傑作ノンフィクション。
柳田さん渾身のノンフィクション、さすがに読みごたえがある。

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広島に原爆が落ちた後、19キロ離れた山村に黒い雨が降った。
気象台のプロフェッショナルは、それを記録する。
それが後に、被爆者の補償問題に役立っていく。
倫理観をもったプロフェッショナルが、国民のためにできるだけのことをする。
その大事さが、この本を読むとよくわかる。

はたして今回のフクシマの原発事故では、国民の命や健康を守るために全力投球したプロフェッショナルはいたのか?

1981年に新潮社から発行されたものの文庫化。
鎌田は解説を書かせてもらった。

「子どものとき、戦争があった」(いのちのことば社出版部編、いのちのことば社、1260円)

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ぼくの友人、広島で被爆した笹森恵子さんのことが書かれている。

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