バルトークの世界
サイトウ・キネンフェスティバルが松本で開かれている。
バルトークのバレエ「中国の不思議な役人」を見てきた。
不気味な作品である。
山賊が、美しい娘に美人局のようなことをさせ、役人を殺して金を奪おうとする。
だが、殺されても殺されて役人は生き返り、恋した娘にとりつく。
舞台は、エロスやタナトスに迫ろうとしている。なかなか優れた舞台であった。
もう一本はオペラ「青ひげ公の城」。
これも、バルトークの1911年ごろのハンガリーで作られた作品。
これまた幻想的な作品で、青ひげ公の城には血塗られた部屋や涙の部屋など7つの部屋がある。7番目の扉の向こうには先妻たちが生きていて、第一の女性は夜明け、第二の女性は昼、第三の女性は夕べを支配している。
主人公の姫は、青ひげ公から「お前が一番美しい」といわれ、第四の女性として扉の向こうに消えていく。
合間に幻想的なバレエが入る。
不思議な味わいのオペラに仕上がっている。
本来は小澤征爾が指揮をとるはずだったが、肺炎のため、急遽、指揮者が代わった。
小澤征爾だったら、もっともっとつややかな作品になった気がするが、十分不思議の世界を堪能した。
それにしても、なぜバルトークを選んだのか、小澤征爾に聞いてみたい気がした。
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