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2011年11月13日 (日)

鎌田實の一日一冊(110)

「知りたくないけれど、知っておかねばならない原発の真実」(小出裕章著、幻冬舎、1000円)

京都大学原子炉実験所助教の小出裕章さんが、MBSラジオで原発事故について語ったことをまとめている。
どんなに早くから彼が的確な指摘をしていたかがわかる。
しかも、最も厳しく原発を批判をしていた彼が、ひとたび原発事故が起こると自分にも責任があると言い、子どもの命を守るためには大人がそれぞれ責任を分担し、自分もその責任から福島の野菜を食べると言っている。
すごい人だなと思う。

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「日本人のすべての大人には、原子力をここまで許してきた責任があると思います。
それは政府や電力会社が原子力発電は絶対安全だと言い続けてきたわけですし、多くの日本人はだまされてきたわけですが、だまされた人にはだまされた責任があると私は思うのです。
ただ子どもには少なくとも今の原子力発電を許したという責任はありません。
放射線に対して大人よりはるかに敏感です。
ですから子どもをいかに守るかというシステムをつくらなくていけないと思います」

ぼくは、何度か小出先生にお電話をして、わらかないことを聞いた。
彼はいつもジェントルマンで、丁寧に答えてくれる。
留守電にメッセージを入れたら、わざわざJCFに電話してくれ、ぼくを探してくれたりした。
原発事故が起きて、「ほら、言ったとおりじゃないか」というようなことも、ひとことも言わない。
科学者として正確な分析をしようと努力している。
そして、子どもたちを守るためにどうしたらしいいか発言し続けている。

人間的に魅力的な人だと思う。

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