原発事故368
福島県の各地をまわっていると、建設関係の仕事をしている人たちから不満を聞かされることが多い。
県や市と災害時の緊急支援協定を結んでいるため、3/11からすぐに警察や自衛隊が入れるように、ガレキを撤去し道を通れるようにする大仕事をしてきた。
メルトダウンが起きた3/12、15、21も知らされることなく、外で大変な仕事をしていたのだ。
しかし、除染作業は日本原子力研究開発機構を通して、大成建設、鹿島、大林組の3グループに委託されてしまった。
全て原発建設に携わってきた企業である。
地元の小さな建設会社にも仕事は来るが、完全に下請けの仕事。
除染という被曝の危険を背負いながら、うまみは全部東京の大企業に吸い上げられていく。
そんな不満の声である。
九州新幹線さくら。先日、初めて乗った。
初めから直接、福島県内の建設会社に仕事の委託があれば、地元にお金が落ち、地元の経済が元気になっていくが、被曝というリスクだけ背負わされる今のような形では、やってられないと、業者は悲鳴を上げている。
ぼくは以前、20キロゾーンの中で働いている人たちの健康管理のために、20キロ圏内に入ったことがあるので、建設関係の人たちがどれほど苦労して仕事をしているかよく知っている。
政府は、日本原子力研究開発機構を焼け太りさせてはいけない。
できるだけ被災地、福島県に直接お金が渡されるようにしてもらいたいものだ。
大企業が危険な仕事をしないにもかかわらず、莫大な利益をあげるというのは、やはり納得できない。
除染作業1.2兆円を、新たな利権にすべきではないと思う。
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