鎌田劇場へようこそ!(90)
「エンディングノート」
ドキュメンタリー。
主人公は、砂田知昭さん67歳。
定年退職後、末期の胃がんが見つかる。
熱血サラリーマンだった男が、死ぬことがわかった後、自分の死の準備をはじめる。
エンディングノートづくりをはじめるのである。
とてもいいキャラクターだ。
亡くなる数日前、奥さんに語りかける言葉は涙を誘う。
娘が映画監督。
娘がカメラを構えているので、ときどき娘にしゃべりかける。
これがなんとも肩肘はらないでいいのである。
いやに素直で、落ち込むときもあれば、異常に明るくなるときもある。
孫が来ると、子どものようにはしゃいでいる。
死ぬことを承知しているのかと思うと、本人はずいぶん先まで生きれると思い込んでいる。
死に近づいたとき、人はこんな反応をするのだということがわかって勉強になった。
じわっと、なかなかいい映画である。
ただし、お金を出してまで劇場に見にいくかどうかは微妙なところである。
テレビだったら、傑作といえるだろう。
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