2011年を振り返る③
むなしい安全宣言
「だいじょうぶ」「安全だ」
3/11以降、政府や東電や学者からずっと聞かされ続けてきたが、実際は大変なことが起きていた。
まず埼玉県の狭山茶。
サンプル調査の結果により、県知事が安全宣言をしたが、汚染されていることがわかり、大きなダメージを受けた。
福島の米の検査も、ざるのような粗いサンプル調査で県知事が安全宣言をしてしまった。
その後、福島市の大波地区や伊達市、二本松とたてつづけに暫定基準値500ベクレルを超える米が出てしまった。
県知事の責任は重い。
夕暮れの八ヶ岳
大波地区で28~136ベクレルの米が見つかった時点で、徹底した再調査をすべきだったと思う。
その前に、二本松で500ベクレルを超える米が出ていたのだから、山に囲まれた同じような立地条件の場所は詳しく調べるべきだったのだ。
しかし、県は200ベクレル以下は再調査しないという方針により、安全宣言をし、その後、汚染が見つかるという事態を許してしまった。
安易な安全宣言はけっして安心を生まない。
かえって風評被害の原因をつくる。
その結果、福島の米は大きなダメージを受けた。
心配していたとおり、流通が減っているという。
福島の米も野菜も95%が、不検出(ND)である。
だからこそ、放射能の「見える化」を徹底すべきだ。
NDのものだけを市場に出すことで、風評被害を防ぐことができる。
国は暫定規制値の見直しをすすめているが、福島県は独自の厳しい基準を設けてもいい。
機械の精度により10ベクレル以下は測れないなら、市場に出すのは10ベクレル以下のものにする。
そして、10ベクレル以上のものは農協や県が補償し、その後、国や東電と話し合いをしていけばいい。
それが福島の農産物を守ることになると思う。
来年こそは、すべてのデータをオープンにすること。
あやふやな安全宣言などするよりも、数値をオープンにし、国民自身が安全かどうかを判断できるようにすべきだ。
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