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2011年12月 5日 (月)

原発事故373

福島の米の問題が深刻化している。

福島市大波地区の米から暫定基準値(500ベクレル)を超えるセシウムが検出された問題で、県がこの地区154戸4752袋の全袋の検査をすすめている。
その結果、新たに5戸の農家からも500ベクレルを超えるセシウムが検出された。
一番高い数値は、1270ベクレルであった。
さらに検査をすすめると、12戸からも500ベクレルを超える米が見つかった。

伊達市からも2地区3戸の米から、最大1050ベクレルのセシウムが検出された。
福島市渡利地区の3戸からも暫定基準値を超えるセシウムが検出されたが、自家保有米で、市場には出ていない。

福島の野菜や果物を応援してきたカマタとしては忸怩たる思いである。
一貫して、網の目の粗いサンプル調査できなく、全品調査に向けてシステムづくりをしながら、できる範囲で全品調査に近づけて詳しく調べるようにと言い続けてきた。

大波地区では、予備調査や本調査で28~136ベクレルが検出されているにもかかわらず、200ベクレル以下は詳しく調査をしないという甘い基準によって、重大な見過ごしがあり、福島の米は大きなダメージを受けることになった。
ND以外の地域では、全戸調査をすべきだった。
脇が甘かったと思う。

1111201__ 岩次郎小屋のニセアカシア

肉牛の汚染も5月11日に395ベクレルの汚染が発見されたが、500ベクレル以下なので問わないとされた結果、500ベクレルを超える肉が7月8日に発見された。
その間、はっきりしないが2000~6000頭の肉牛が、ほとんど検査なしに市場に出た可能性がある。

汚染された食品が少しでも市場に出回れば、食品への信頼が揺らぐ。
風評被害で、買い控えも増えるだろう。
後手にまわった政府に対して、一生懸命、米づくりをしてきた農家は憤懣やるかたない。
回収できていない汚染米もわずかだがあるようだ。

県や国、専門家も反省すべきだと思う。
傷口を小さくみせようとしたために、福島の米の汚染は深刻化した。

今頃になって県は、4割の農家を対象に、出直しの全戸検査をするという。
とても対応が遅い。

政府はもっときめ細かいサンプリングをし、一年後には全品調査ができるように食品の放射線測定器を多数確保する予算付けをすべきだ。

そして、県や国は、放射線に対して厳しい感覚をもつ学者を相談役として置くべき。
このままでは問題は深まるばかりだ。

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