原発事故380
12月16日、野田首相が冷温停止状態に至ったと発表した。
そのとき、ぼくは福島にいたが、福島の人たちは冷ややかな反応だった。
何をいっているのだろうという感じである。
原発事故の収束が前進したとは思えない。
水を注ぎ続けなければ一日半で再溶融が起きてしまうといわれている。
相変わらず危険な状態は続いているのだ。
今も毎時6000万ベクレルの放射能が放出され続けている。
以前より少なくなっただけで、信じられないような状態が続いている。
燃料棒を取り出すのに10年はかかる、すべての問題を解決するに40年かかると取り沙汰されている。
しかし、10年で燃料棒を取り出せるとは思えない。
チェルノブイリでは25年経った今も溶けた燃料を取り出せていない。
一度溶け出した燃料棒は取り出すのは至難の業である。
冷温停止の宣言をする前日、政権のなかにつくられた有識者会議が避難指示基準の年間の放射線量20ミリシーベルトに妥当性を与えた。
有識者会議をつくるときに、放射線に対して厳しい考えを持っている市民をいれ、なぜ議論をオープンにしないのだろうか。
信頼できない人たちに「だいじょうぶ」と言われても、なかなか国民は安心できない。
20ミリシーベルト以下だから、避難しなくていい、安心だといわれる住民は、たまったものではない。
放射能の「見える化」を徹底的にすべきである。
ホールボディカウンタは福島県に3台ではなく、30台は必要と考える。
有識者会議は、加工品も含めて食品は、放射線を測定しなければ市場に出すことはできないと提言するくらいの意気込みを持たないといけない。
少しぐらいの放射線ならだいじょうぶとか、避難の基準を厳しくすると補償金額が膨大になるというような考え方ではなく、国民の健康を守るための提言でなければ、有識者会議の意味がないように思う。
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