原発事故384
ベラルーシでは148万ベクレル以上は緊急強制移住区域とされた。
55.5万ベクレル以上は逐次移住区域、18.5万ベクレル以上は任意移住区域、3.7万ベクレル以上は定期的放射線管理区域とされた。
定期的放射線管理区域は、年間の放射線量が1ミリシーベルトを超える、に相当する。
福島県民の行動調査から、4ヶ月間の外部被曝量の積算推定値が調べられている。
いまのところ、4ヶ月で1ミリシーベルトを超える人が半分というのがわかった。
これは、かなりの範囲で年間1ミリシーベルトを超えていると思われ、ベラルーシのように、定期的放射線管理区域という考え方をもちこんだほうがいいように思う。
住民の内部被曝量を測定したり、食品の放射線測定器を多数台を整備して、食品の管理を徹底することが大事である。
ベラルーシのベトカ地区病院のナジェージタ院長は25年間、放射線汚染地域で医師として活動してきた。松本の講演会で、生活上の注意をレクチャーしてくれた。
そのなかで、こんな小話をしてくれた。
ロシア人とベラルーシ人、ウクライナ人の3人が一つの船に乗って遭難した。
もうだめかと思ったときに、遠くに島影が見えた。
助かったら、何をしたいか。
ロシア人は「ウォッカ」
ウクライナ人は「サーロ」
ベラルーシ人は「女」
サーロとは、豚のあぶらの塩漬けである。
日本人には食べられそうもない脂身だが、フライパンでよく焼いて、目玉焼きに添えて食べると実においしい。
チェルノブイリの救援に入ったとき、ぼくもウォッカやサーロを経験した。
ベラルーシ人の「女」というのは知らないが、ベラルーシ人がとても明るいことはよく知っている。
何度も住民のパーティーに誘われ、何時間も歌ったり踊ったりする。
こうしなければ放射能の汚染の大地で生き抜くことができなかったのではないかと思うほど、明るいのだ。
ナジェージダ先生は、放射線に対して徹底的に注意する必要があるという話をし、最後に、ストレスはもっとよくないという話をしたのが印象的だった。
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