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2012年1月22日 (日)

鎌田實の一日一冊(119)

「おれのおばさん」(佐川光晴著、集英社、1260円)

児童養護施設に暮らす中学生たちのまっこう勝負の人生。
体をはって受け止める養護施設のおばさんの話である。

ぼくが2011年に読んだ本のなかでいちばんおもしろい本だった。
14歳の中学生が主人公。
父親が浮気をし、浮気相手のために会社のお金を横領する。
父親は逮捕され、刑務所に入る。
母親は夫の借金を返すために家を処分し、老人病院で付添婦として住み込みながら働きはじめる。

Photo

主人公は、児童養護施設に入るが、いろんな事情で親と暮らせない中学生が集まっていた。
実の親はわからない、育ての父親が交通事故で亡くなり、母親は育てることができなくなり、虐待を繰り返すようになる、そんな行き場のない中学生が集まっている。

せっかく医学部に入ったにもかかわらず、芝居に狂い、大学を中退したおばさんが、人生に負けず生き生きと生きている姿を見せてくれる。
勇敢でおろおろしない、決断力のある人生をまっしぐらに生きるおばさんの姿がまぶしい。
「おれのおばさん」、おすすめである。

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