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2012年2月11日 (土)

鎌田劇場へようこそ!(103)

「ポエトリー アグネスの詩(うた)」

イ・チャンドン監督の傑作である。
もの忘れがひどくなった初老の女性が、言葉を思い出せないなかで、詩を書こうとする。
生涯に一つだけの詩である。

Photo

孫息子の通う学校の女の子が投身自殺をする。
孫息子を含めた6人が、その女の子に性的暴行をしていたことが判明する。
人間のなかにある光と影、美しさと醜さ、善良さと邪悪さ、賢さと愚かさ。
おばあさん自身が一編の詩を書くために、自分の人生を振り返る。
自殺した女の子の思いによりそっていく。
一人の人間の魂の旅路である。
お金で解決しようとするところで、どんでん返し。

罪の意識をもち、罪を受け止めて生きることの大切が見えてくる。
文学が好きな人、詩が好きな人、映画が好きな人。
とてもいい。
見てください。

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