« 行ってきます! | トップページ | 4/15さだまさし・鎌田實トーク&ライブ開催 »

2012年2月20日 (月)

鎌田實の一日一冊(125)

「がれきの中の天使たち 心に傷を負った子どもたちの明日」
(椎名篤子著、集英社、1260円)

親しい編集者を通じて、ノンフィクション作家の椎名篤子さんがこの作品に取り組んでいることを知り、昨年の暮れ、原稿を読ませてもらった。
読んだ後、「大変だったね。もうだいじょうぶだよ」と子どもたちに言ってあげたくなった。

いい本である。
傷ついている子どもたちに、心の専門家たちが寄り添い、すばらしい活動をしている。
ぼくは、「報道では見えなかった子どもたちの苦しみを思うと、涙が止まらない。心の専門家たちの活動がすごい」と帯に書いた。

Photo_2

東日本大震災で、余震の続く中、いち早く被災地に入り、子どもたちとその家族の心のケアにあたった児童精神科医チーム。
保健師や心理士も加わった彼らの献身的な活動は意外に知られていないと思う。
現在も続いているその「子どもの心のケア活動」の現場を取材し、実際に心に傷を負った子どもたちの実例をまじえてリポートした、貴重なノンフィクションだ。
災害時の子どもの心のケア活動の「原点」となった、阪神・淡路大震災についても取材している。

今回のような大災害が起こったとき、いちばんつらい思いをするのは、子どもたちだ。
子どもたちを救おうと必死に力を尽くす児童精神科医たちに、ぼくは救いと希望を感じた。

|

« 行ってきます! | トップページ | 4/15さだまさし・鎌田實トーク&ライブ開催 »

書籍・雑誌」カテゴリの記事