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2012年2月14日 (火)

経済講演会

バークレイズ・キャピタル証券株式会社の新春経済講演会で講演をした。
鎌田の持論「あたたかな資本主義」を展開してきた。
帝国ホテルで350人が集まった。
何百億円もの投資をする人たちに、あたたかな資本主義の必要性を話した。

東日本大震災では、日赤や赤い羽根募金を中心にして4000億円近くの浄財が集まったが、集まりすぎてタイムリーに被災者に届けられなかった。
被災地では、当初はお金がほしいという人はいなかったが、2ヶ月くらい過ぎたころからお金がほしいという人がではじめたように思う。
このときに寄付金の一部が被災者の手に渡っていれば、被災者も救われただろうし、地域の経済も一気に立ち上がりはじめたと思う。

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お金は回転することが大事である。
つねに雇用が生まれるようにお金が動かすこと。
単に寄付金をばらまけばいいというわけではない。
社会保障で生活を守るよりも、少しお金がかかったとしても、雇用を拡大して仕事についてもらうことで、将来の人生計画もできてくる。
子どもを育てようとか、家を建てようとか、仕事を拡大しようとか思うことで金融が動き出す。
家を建てることで、設計士や大工さん、建築資材会社が潤う。

一つのNPOに1000億円というような大きなお金が集まらないように、どこかにストップをかけないとお金はタイムリーに使えないのではないかと思う。
仮設住宅に巡回診療に行くと、テレビや洗濯機にぜんぶ赤十字社のマークが貼ってある。
国民が寄付したお金であるが、まるで日赤が寄付してくれていると被災者たちは思いこんでしまう。
社会をあたたかく動かすためには、企業やNPOが勉強して、自分たちの資本主義をギスギスさせず、一人でも多くの人が幸せになる方法を考えなければいけないと思っている。

講演会では、2012年の日本経済見通しと金融市場という話も聞いた。
2012年は、米国よりもおそらく日本のほうがGDP成長率はいいと予測しているようだ。
残念だが当然、円高は続くということである。
秋からは復興予算が使われ始める。
失業率も低下し、GDPを押し上げていく。
震災のためにどこの国よりも財政はよくないが、復興予算として公共投資が行われるので、この使い方さえ間違えなければ、東北を元気にしながら日本は元気になれる可能性があるということである。

4月末に発売する鎌田の経済の第二弾の本づくりは着々と進んでいる。
お楽しみに。

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