「社会的包摂」とは?
厚生労働省の社会的包摂ワンストップ相談支援事業という新しい事業が始まろうとしている。
その事業の選定・評価委員になった。
「社会的包摂(ほうせつ)」とは聞きなれない言葉であるが、簡単に言うといろいろな生活困難を抱えた人間を社会的に排除しないで、社会的に包み込もうというものだ。
たとえば、学習機会が不足するなどして、不安定な仕事しか就けない、病気などで仕事が続けられない、住むところも不安など、現代の生活困難は多様で深刻化している。
そのとき、その人を地域社会から切り離されないように、社会的に包み込むように支援していく運動である。
生活困難といっても、背景は複雑だ。
仕事を失っただけでなく、DVを受けていたり、心の病気になっている場合もある。
自殺の危険がある場合もある。
そのとき、電話をかけさえすれば、ワンストップでその人の問題に応えられる専門家や専門のNPOに電話がつながり、最適なサポートやアドバイスを受けられるだけでなく、同行するところまで支援しようという試みである
JCFもその一つになっていて、食品の放射性物質の問題などで相談があったときに、電話を受け入れる。
まず「社会的包摂」という言葉を多くの人たちに理解してもらい、概念を実現させていく一つの気運をつくるために役立ちたいと、納得して引き受けた。
近々、社会的包摂サポートセンターがオープンする。
東日本3県で先行事業が行われ、被災者たちを救済していく。
来年からは全国に展開していく。
問題に直面していても、どこに相談していいかわからないというのが現状だ。
その結果、問題を一人で抱え、孤立してしまうことも多い。
多くの優れた機能をもった組織にうまくつなげることで、最善の解決方法を見つけられるような仕組みが求められている。
その実現のために一生懸命、お手伝いをしたいと思っている。
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