鎌田劇場へようこそ!(105)
「アリラン」
キム・ギドク監督。
2011年カンヌ国際映画祭「ある視点」部門最優秀作品賞。
キム・ギドクは、外国で高い評価を受けている韓国の監督。
韓国内では「異端児」とか「鬼才」とされ、暴力性が高いと否定的な評価をする人たちも多い。
この3年間、キム・ギドクは映画をつくれなかった。
信頼していた映画仲間は引き抜きにあい、去っていった。
一人、山にこもるキム・ギドク。
その自分自身を、なぜ映画がつくれないのかと責めるもう一人のキム・ギドク。
主演も、製作も、撮影も、録音も、編集も、音響もすべて、キム・ギドクがしている。
なぜ映画がつくれないのか、もがき苦しみ、生きるとは何か、命とは何か、葛藤する。
キム・ギドクの心を正直にあらわしているが、途中で演じているようなところや演出しているところが見えてくる。
最後にピストルが出てきて、単なるドキュメンタリーでないことがわかった。
半分は本当のこと、半分は物語。
ドキュメンタリーと物語を往ったり来たりするような映画である。
映画好きの人にはこたえられない映画であるが、ドラマがない映画が苦手という人は訳がわからなくなってしまうかもしれない。
ギドクファンには大切な一本だと思う。
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