鎌田實の一日一冊(129)
「南三陸町からの手紙 3.11を体験した22人が自ら綴った言葉」(加藤秀視監修、野寺治孝写真、栄久堂、1680円)
元暴走族でジャパン元気塾を主宰する加藤秀視君が監修をしている。
震災後、南三陸町に入り、炊き出しするなど支援を続けながら、出会った人たちの言葉をまとめた。
「同情されるのが嫌で平気なふりをしています。もうだいじょうぶだって、ふっきれたふりをしています。
でも、正直言うとあなたに会いたいです。ときどき。
3月11日に戻れたら・・・なんて考えたりしています。
私は津波から必死に逃げて助かりました。
生きたからには一生懸命生きようと思います。それでもまだ、私にはあなたが必要です」(34歳、主婦)
こんな手紙が続いていく。
忘れてはいけない、いくつもの思いがこの本にはつまっている。
表紙が不思議。
カバーを外すと、一枚のポスターのようになっている。
そこにぼくの応援メッセージが記されている。
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