千人風呂のいま
3月10日のNHKの震災特番は、石巻から生放送だった。
午前と午後の放送の間、2時間ほど時間ができたので、放送のキーステーションになっていた石巻高校から5分ほどのところにある「千人風呂」を訪ねた。
この千人風呂は、JIM-NETと神宮寺の高橋さんらが協力して行っていた千人風呂プロジェクトの一つだが、その後、商店街と熊さんに引き継がれた。
閉湯の話になると、市民からぜひ続けてほしいと強い要望があり、今も続いている。
市民も自分たちで、燃料費を持ちよりながら運営しているが、ほかの団体からも協力してもらえるようになったという。
熊さんと、女湯のばんだいのボランティアに大阪から来ている女性。
久しぶりに訪ねた千人風呂は、熊さんらしい、あたたかな空間ができていた。
お風呂だけでなく、サロンになっていたのだ。
お昼ごはんにも驚いた。
近くの沿岸でとれたといって差し入れしたくれたおばさんが、食べろ、食べろと次々カキをむいてくれる。
うまみがあり、とろけるようにおいしい。
いくつもパクパク食べていると、今度は、蒸しカキ。
そのうちにヒラメのエンガワ、タコが出てきて、しまいには筋子をたっぷり載せたごはんまで登場した。
突然、訪ねたので、ぼくのために特別に用意されたというわけではなさそう。
熊さんは毎日こんなご馳走を食べているのかと思うほど、地域の人たちが千人風呂を支えてくれている。
定期的に差し入れをしてくれる商店街の中華料理店や、家庭料理を用意してくれるおばさん、この日のように時々魚をもってきてくれる人もいる。
本当に東北の人のあたたかさに脱帽だ。
そして、今も地域にとけこんで支援を続けている熊さんにも脱帽。
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