鎌田劇場へようこそ!(106)
「アーティスト」
感動、感動、感動。
もしかしたら、アカデミー賞をとるかもしれないと思っていたら、本当に受賞した。
サイレント映画。
心をゆったり構えていないと、ハリウッドのスペクタクル映画に慣れている人にとっては隙間だらけで飽きてしまうかもしれないが、キューブリック監督の「時計じかけのオレンジ」や「カサブランカ」「「モロッコ」「雨に唄えば」などを思わせる映像が出てきたり、チャップリン、小津安二郎の音楽が流れたりする。
頭の老化が進んでいるぼくは、すぐには思い出せないが、あのシーンは見たことがあるな、この音楽はなんだっけと思いながら、往年の名女優グレタ・ガルポをイメージしていると思われるストーリーに酔わされていく。
しゃべらないということがこんなに大事なのか。
言葉を超えている。
大好きな詩人・田村隆一の詩に「言葉なんかおぼえるんじゃなかった」というのがあるが、言葉がなくても、こんなにたくさんのことを語れるのだとわかるステキな映画である。
「愛している」と言い続けないと、愛が冷めてしまうせせこましい現代に生きているぼくたちにとって、何が大切なのかわかるような映画である。
犬のアギーが名演技をしているのも笑ってしまう。
ふわっとしたあたたかな空気につつまれる。
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