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2012年4月23日 (月)

鎌田實の一日一冊(133)

「検証 福島原発事故・記者会見--東電・政府は何を隠したのか」(日隅一雄、木野龍逸著、岩波書店、1890円)

弁護士の日隅一雄さんとは6月にボランティアで福島県須賀川に講演に行く予定になっている。
その日隅さんの労作である。

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2011年6月10日の記者会見でのこと。
東電の作業員が678ミリシーベルトと643ミリシーベルトときわめて高い被曝をした。
特に内部被曝が大きかった。
全社では590ミリシーベルトが内部被曝というえらい事態になっている。
そのときに、ヨウ素剤が服用されたかどうかという質問に、東電側は3月13日に2錠服用しただけで、翌日からは飲んでいないと説明した。
マニュアルではヨウ素剤は14日間服用してもいいことになっている。
しかし、この答弁は間違っていることが後でわかった。
ヨウ素剤は中央制御室に配布されていなかったため、適切なタイミングで服用されていなかったのだ。

記者会見では、こんなお粗末なやり取りが繰り返されていた。

日隅さんは自分の病気をおして記者会見を聞き続けている。
できるだけ事実を明らかにしたいと、彼は命がけでやっているのだと思う。

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