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2012年5月17日 (木)

原発事故422

・・・前回の続き。
再稼動できない理由を考えた。

4、情報公開が徹底されていない。
原子力安全保安院は、2011年3月18日午後2時45分の時点で、1、2、3号機で炉心溶融が起きたと判断していたのにもかかわらず、国が炉心溶融を認めたのは2ヶ月後だった。
もっと早く情報が公開されていれば、子どもたちを放射線から遠ざけるなど、何らかの手段がとれたはずである。
徹底した情報公開をしないかぎり、リスクコミュニケーションの言葉の重さは出てこない。

5、核燃料サイクル事業の行き詰まり。
核燃料サイクルは無限に使えるといっていたが、最近になって原子力安全委員会は無限は無理と言いだしている。当たり前のことである。
高速増殖炉もんじゅはまったく動いていない。
核燃料サイクルそのものの考え方に結論をつけるべきだと思う。

使用済み核燃料をどうするのか、大きな問題だ。
原発の貯蔵プールには1万数千トンの使用済み核燃料が保管されている。
核燃料サイクルの撤退を考え、乾式貯蔵にしたほうがいいと思う。
今後、地震が起きれば、どこの貯蔵プールも心配である。

6、万が一、再び原発事故が起きたときの、住民の誘導方法や安全を確保する方法ができていない。
特に今回の事故で混乱を極めた、寝たきり老人や精神・身体障害者など弱者の安全をどう確保するか、具体的な議論はされておらず、マニュアルづくりもされていない。
救援医療班は宮城や岩手には全国から大勢集まったが、30キロ圏内にはなかなか入れなかった。
医療や介護のサポート体制も構築されていない現状で再稼動するというのは、かなり無理があるように思う。

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