鎌田劇場へようこそ!(116)
「最強のふたり」
実におもしろい。
ハンググライダーの事故で頚髄損傷をおこし、両手両足がまひしたお金持ちと、介護のために採用された、下品でおちゃらけの黒人青年。
怖いもの知らずの最強の2人が、ポエティックな話や有名な絵画、クラシック音楽の話をしながら、下品でわいせつで、ふざけた会話だけでなく、おっとと思うような行動をしてしまう。
これが人間だよなと思わせてくせれる。
チンピラのような青年が大富豪を特別視しないのがいい。
からかったり、いじわるをしたり、ふつうはやってはいけないようなことを平気でするが、なんとも憎めない。
大富豪もむっとしたりしながら、うれしくてたまらなくなる。
こんなにつっこまれることは、彼の人生のなかでほとんどないことだった。
このふざけた青年といる時間が楽しくて、楽しくて、しかたなくなるのだ。
実話である。
最後にワンシーンだけ、本物の最強のふたりが出てくる。
どんなに絶望的な状況に陥っても、生きていく勇気をくれる映画だ。
めちゃくちゃ下品で、めちゃくちゃ上品。
おもしろくて、楽しくて、うれしくなる、こんなステキな映画は久しぶり。
一年に1、2本しか映画をみない人も、映画通も、厳しい映画評論をする人も、この映画なら拍手まちがいなしだと思う。
| 固定リンク
「映画・テレビ」カテゴリの記事
- 再放送(2023.10.17)
- テレビ寺子屋「鎌田實・さだまさしSP対談」(2023.10.13)
- 鎌田流ブラックジャック論(2023.10.11)
- 「正解の無いクイズ」(2023.10.08)
- 遠くへ行きたい 2009年(2023.08.14)