鎌田劇場へようこそ!(117)
「あの日 あの時 愛の記憶」
めちゃくちゃ魅力的。
アウシュビッツ収容所で、レジスタンスをしていたボーランド人の青年と、ユダヤ人の女性が恋に落ちる。
奇跡の脱走をはたすが、青年の母親はユダヤ人との結婚を認めようとしない。
青年は任務を抱え、家から離れ、混乱のなかで2人は離れ離れになってしまう。
お互いに、死んだと思い込む。
女性はアメリカにわたり、結婚して子どもをもうける。
あるとき、テレビのなかで、かつて恋におちた青年がインタビューに答えているのを見た。
1ヶ月ほど前、絵本「アハメドくんのいのちのリレー」を持ってパレスチナを訪ねたとき、何人かのパレスチナ人に「ホロコーストのことを書くな」と言われた。
ホロコーストの悲劇を理由に、イスラエル人はパレスチナ人の地を占領しているのだという。
でも、間違いなくホロコーストはあった。
そして、深い傷を負った若者たちがいた。
なんとも切なくなるラブストーリーである。
胸がキュンと切なくなる。
エンディングマークが出た後も、この後いったいどう展開するのか、気が気ではなかった。
映画は終わっているはずなのに、この後もう一度、このつづきがはじまるのではないかという錯覚に陥るような不思議な映画だ。
描写が丁寧で、残酷で、美しく、これぞ映画と思わせてくれる魅力満載の映画である。
| 固定リンク
「映画・テレビ」カテゴリの記事
- 鎌田劇場へようこそ!(566)(2024.10.08)
- 正解の無いクイズ(2024.09.28)
- 小津安二郎映画祭(2024.09.26)
- 上映トークイベント10/6(2024.09.05)