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2012年7月 2日 (月)

「アハメドくん」の旅⑭~検問でのサプライズ

日中の気温は43度。むちゃくちゃ暑い。

ガザに入るのは大変なことだった。
地域医療をおこなってきた鎌田が、UNRWAの家庭医システムの導入を視察するということで、何とか許可がもらえた。
ガザには、防弾ガラスで守られたUNRWAの車で入った。

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ガザは一週間前に13人が亡くなり、傷跡がそこら中に残っていた。
150万人のパレスチナ人のうち、100万が難民といわれている。

イスラエルの検問は非常に厳しく、通るときには怖い思いをする。
みんなが銃を持っている。
心が凍りそうになったとき、イスラエルの検問の若い女性か突然、笑顔を向けてきた。
「ハッピー・バースデー」
一瞬、何のことかわからなかった。
この日は、偶然、ぼくの誕生日だったのだが、まさか、イスラエルの検問の人から言われるとは思わなかったのだ。

ぼくは、「アハメドくんのいのちのリレー」を書いたときも、今回の旅も、つねに中立の立場でいようと思っている。
しかし、パレスチナの人の現状をみると、どうしてもパレスチナのほうに心が傾き、イスラエル側に対して、ひどいじゃないか、大人気ないじゃないかと思ってしまう。

でも、イスラエルの検問の人から、こんな人間的な応対を受けると、なんだかとてもほっとする。

UNRWAの家庭医制度は非常にうまくいっていた。
生活をみること、継続してみること、健康教育をすること、しかも、一方的におしつけるのではなく、地域の人と話し合いをしながらすすめている手法に感心した。
パレスチナ側も、とてもいいシステムだと歓迎をしているようだ。
医療費は無料。

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心理療法士やケースワーカーの話を聞くと、仕事もなく、精神的な圧迫を受けている家庭で、暴力が増えているという。
女性や子どもを暴力の被害からどう守るか、たいへん大きな問題になっているのだ。

UNRWAは、そうしたパレスチナ難民の命を守り、教育と医療、平和に向けてのイベント活動をしているが日本ではあまり知られていない。
日本人がいい活動をしている。
高いリーダーシップを発揮しているのをみて、うれしくなった。

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