「アハメドくん」の旅⑯~テルアビブで
ガザから、イスラエル側のテルアビブという大都市へ行くと、ぼくの絵本を読んだ人たちが集まってくれていた。
冒頭、カマタのために作曲したといって、バイオリンの演奏がはじまった。
会場の雰囲気が和んだ。
どんな批判がでるか心配だったが、あたたかな言葉が次から次から出てきた。
「イスラエル人もホロコーストをいつまでも言い過ぎず、ホロコーストがあったから、どんなことをしてもいいというやり方は世界では通用しない。ユダヤ人自身も自らの行動をかえりみたらいい」とある男性が語った。
絵本が広がるために、ヘブライ語の翻訳で少し修正したほうがいいところがあるという指摘もあった。
文部省にはたらきかけてみたらどうかとか、出版社を探す応援をしようという建設的な意見も出た。
この絵本がきっかけになり、イスラエルとパレスチナの人がもう少しフランクに話ができるような場がつくられ、お互いが理解できるようになったらいいと何人もの人たちが話してくれた。
「こういう重いテーマを絵本にするというのは、自分たちの文化ではわかりにくい」という感想もあった。
日本のある作家は、人生のうち3度、絵本を読む機会があるといっている。
子どものとき、子どもが生まれて親になったとき、そして、年をとったとき。
日本では、いのちについてかれた絵本をよむ高齢者もいるという話をすると、絵本が好きな人から、それは納得できるという反応がかえってきた。
この日一日、ガザから、テルアビブに出て、またエルサレムにもどってきた。
ハードスケジュールであったが、充実した一日であった。
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