ロンサム・ジョージ
ロンサム・ジョージが死んだ。
ガラパゴスのゾウガメである。
昨年2月、ぼくは南米エクアドルのガラパゴス諸島を訪ねた。
ガラパゴスのゾウガメは、それぞれの島で少しずつちがう。
ジョージが死んだことで、ビンタ島のゾウガメは絶滅した可能性が高い。
かつて、もののない海洋の時代、ゾウガメは食用に乱獲された。
生きたまま船に乗せ、時期がくると食べるのである。
パレスチナとイスラエルに行っている間に、孤独なジョージの訃報を知って、ちょっとさびしくなった。
※以下の文章は、2011年2月にガラパゴスを訪ねたときにブログにのせようと思っていたもの。
日本に帰り、すぐに東日本大震災と原発事故が発生したため、ずっとお蔵入りになっていた。
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◎悲しきゾウガメ
ビンタ島のゾウガメ、ロンサム・ジョージはもう100歳。
最後の一匹になってしまい、ダーウィン研究所で繁殖を試みているのだが、うまくいっていない。
交尾そのものが少ない。
交尾に成功しても、卵は孵化しなかった。
2007年、ガラパゴス諸島は、世界自然遺産のなかでも危機遺産として登録された。
その後、生態系を守ろうとする取り組みにより危機遺産の登録は解除されたが、問題はまだまだ解決していない。
オス同士のゾウガメが、何を間違ったか、交尾の姿勢をとっている。
なんともユーモラスで、悲しい光景であった。
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