中学生への授業
ニセアカシアの木は大きく生長し、葉を茂らせている。
50メートルほど離れた御柱海道が、茂った葉でまったく見えなくなった。
岩次郎小屋は小さな森に囲まれたよう。
先日、地元の東部中学でボランティアの講演をした。
1年生の国語の教科書に「雪とパイナップル」(集英社)が載り、子どもたちがぼくに興味をもったようだ。
校長先生が何度も来られ、子どもたちにぜひ授業をしてほしいということだった。
茅野市の教育委員会も、いろいろな経験をしている人たちを呼んで、子どもたちにレクチャーするという「ようこそ先生」というモデル事業を立ち上げたという。
教育委員会でも講演をし、父兄や市民がたくさん集まった。
ぼくは中学校や高校などで毎年、ボランティアで講演をしているが、この東部中学はすばらしい学校だった。
子どもたちが事前学習をし、ぼくの本をじつに深く呼んでおり、それぞれの学年の代表が発表をした。
講演のはじまりのときも、終わった後も、とぎれることのない大きな拍手があり、その後も質問の手がたくさんあがった。
これほどの学校はいままでなかった。
「学校は荒れていない」と校長先生は言った。
中学のころ、ぼくは勉強ぎらいだったが、どうして勉強をしたくなったか。
本をたくさん読む習慣がどうやってついたか。
朝型の生活にした理由は。
そんな話もした。
一時間半、さわぐこともなく、寝ることもなく、ほとんどの子が目をかかやせて、ときには女の子たちは涙をうかべながら、ぼくの話を聞いてくれた。
この後も学校では、ぼくの話を聞いたうえで、秋まで持続的に勉強し、掘り下げていくという。
中学生たちに役に立つようなら、来年も継続してボランティアをしないといけなくなりそうだ。
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