「アハメドくん」の旅⑲~かたい握手
リモン先生のお宅を去り、再びヨルダン川西岸のジェニンへ。
イスマイルさんを家に送り届けた。
別れ際、イスマイルさんはぼくをハグし、
「うれしかった、うれしかった、いい2日間でした。
この絵本がたくさんの人たちに読まれるようにしたい。アラビア語で出すことも、ヘブライ語でだすこともノー・プログレムだ。
自分もドイツ、イタリア、スペインでの出版を働きかけてみる」
と、語った。
イスマイルさんのはたらきかけにより、カナダでは「アハメド君の法律」というのができた。
臓器移植がもっとひろがるように、臓器を提供した側も、提供を受けた側も了解した場合は、相手を知ることができる。
それをオープンにして、臓器移植の意味や意義をひろげようと、カナダでは法律がつくられたのだ。
この「アハメド君の法律」には、もう一つ大きな意味がある。
臓器を提供した側の家族と、提供を受けた側の家族が知り合い親密になり、理解しあうことだ。
カナダではとてもうまくいっているという。
イスマイルさんは、「カナダにも時々呼ばれて行くので、この絵本をひろめたい」という。
「カマタと協力しあって、イタリアやスペインで講演をしよう。
ピースボートに一緒に乗ったときは楽しかった。またピースボートに乗って、平和のメッセージを多くの人に伝えていきたい」
彼は、とつとつと静かに語った。
絵本に出てくる当事者--サマハさん、サマハさんの父親ガドバンさん、リモン先生、そして、アハメドくんの父親イスマイルさん。
この人たちが、絵本を気に入ってくれたことは、とてもうれしい。
「この絵本をたくさんの人に届けよう。利益がでれば、すべてパレスチナの子どもたちのために使おう」と2人でかたい握手を交わした。
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