「アハメドくん」の旅⑫~若者の苛立ち
夜はベツレヘムで若者たちとディスカッションした。
自治政府の高官も議論に参加して、絵本を高く評価してくれたが、若者たちのイライラが強く伝わってきた。
特にベツレヘムは、イスラエル人の入植地を守るため、町のど真ん中に壁ができたりしていている。
「パレスチナとイスラエルの間に、臓器移植が行われた。次は私たちにも自分の臓器をイスラエルにあげろということなのか」
とんでもない批判も飛び出した。
ほかの人たちが、そんなことは書いていない、もっと建設的な議論をしろと反論するが、苛立つ若者の背景には、自由を奪われている現状がある。
若者たちは自由に外国に行くことができない。
仲間には、留学の許可がイスラエルから許可されないために、外国で勉強できなかった若者もいたという。
自由がないと叫んでいた。
とにかく、「イスラエルの占領がなくならないかぎり、平和の議論はしたくない」というのだ。
前回、ベツレヘムに来たときに仲良くなった友人の家に呼んでいただき、鶏肉を炊き込んだアップサイドダウンというおいしいアラブ料理をごちそうになった。
アラブ人は一度、友だちになると、信じられないほどあたたかい。
その彼の弟は、第二次インティファーダで、自爆テロを行い、亡くなっていた。
「殉教者」とみんなから言われている。
若者たちをそういうムードにさせてしまう時代があった。
それはいまも残る。
町中が傷ついている。
ひりひりした感じが町中にただよっている。
なんとか平和をつくらないといけない。
イスラエル側が分離壁を撤去して、入植地を広げるのをやめれば、パレスチナ側は話し合いをはじめらると思うのだが。
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