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2012年8月18日 (土)

お知らせ

19日午前10時からの「日曜はがんばらない」(文化放送)は、生活評論家の吉沢久子さんをゲストにお迎えする。
94歳、とてもお元気である。
15年ほど前、高齢社会をよくする女性の会の樋口恵子さんといっしょに諏訪中央病院に来たことがあった。

12081916__ 吉沢久子さんを囲む、村上信夫さんとカマタ

吉沢さんは、文芸評論家の古谷綱武さんの秘書をつとめ、結婚。
秘書時代に、古谷さんから日記をつけるようにいわれたという。
その戦時下の日記が本になった。
「あの頃のこと」(清流出版」という。

夜中に鉄兜をかぶって源氏物語を読んだり、ものがない時代、配給になった一匹のニシンをつかい、野菜を入れてしょっつるなべをつくったりしたという。
その後、生活評論家になる下地が、戦時下に日記をつけながら養われていたようだ。

終戦二日前の8月13日の日記をみると、天皇陛下が戦争終結を決意しているが、軍部がなかなか決断できない状況が、27歳の女性の目をとおして書かれている。
もう3ヶ月早く戦争の集結できていれば、ソ連の侵攻もふせげた。北方四島も奪われることもなかった。
東京大空襲もうけなくてすんだ。
ヒロシマ・ナガサキの原爆投下もうけずにすんだ。

空気に負けて戦争をはじめ、空気に負けて戦争を終わらせることができなかった。
その日本という国は、いまだに空気をかえることができず、決断ができない。
なんとも愚かしい感じがした。

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