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2012年10月

2012年10月31日 (水)

憲法改正への流れ

石原新党の発足。
維新の会。
自民党の新総裁に安倍さん就任。
この3つの流れは、間違いなく憲法改正に向かう。

衆議院と参議院の二院制の問題など、場合によっては憲法で変えなければいけないかもしれないし、リーダーを選ぶために大統領制に近い制度改革をするというのは、実はぼくは賛成なのであるが、安倍さんや石原さん、橋下さんがつながるとどうしても憲法9条の改正に踏み込むだろう。
安倍さんが首相に返り咲いてやりたいことの一丁目一番地は、憲法改正ではないかと思う。

Img_7380 岩次郎小屋の秋の風景

今回の野田政権も政権基盤が弱いのに、無理して消費税法案を通そうとしたため、ほかのことが何もできず、自民党政権時代よりもさらにタガが外れ、ぼくたちの税金をきちんと使うシステムをつくれないまま、民主党政権は死に体になってしまった。

次の政権が憲法改正をするということになれば、もっとやらなければならない社会改革、教育改革、外交問題、財政の建て直し、行政改革が、また棚ざらしにされる。これは避けなければいけない。
こんなことをしている暇はない。

経済が悪くなってくると、必ずナショナリストがむくむくと頭をあげてくる。
それにひっぱられて、国民もこぶしをあげる。
極端に激しいことを言うほうがかっこいいし、注目をあびて賛同者を集めるような錯覚に陥る。

日本のリーダーたちのなかに、冷静なハートをもちつづけることができる人がいることが大事だと思う。
それにしても野田さんの無能ぶりにはあきれたものである。

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がんばらない経済学⑫

日本の男女の平等性は101位と発表された。
先進国のなかでもっとも悪いグループの一つである。
女性の社会進出、たとえば政治家や大臣の数などは先進国とは思えない。
大学教授や経営者に女性が占める数も少ない。

この前、日本で開催されたIMF総会で、ラガルド専務理事はこう言った。
日本は、女性の労働参加率を現在の62%から70%にすれば、GDPを0.25ポイント引き上げる効果がある、と。
安定した職がない若者(ニート)が160万人いるという推計もある。
女性だけでなく、こういう人たちに仕事がまんべんなくいきわたるようになれば、内需は拡大していく。

Img_7383 紅葉がはじまった岩次郎小屋の庭

あるシンクタンクでは、日本が毎年1%の経済成長を続けていくには、10万人の身を切る必要があるとし、外国人労働者を正式に認めていくこととしている。
外国人労働者を正式に認めることに関して、ぼくは反対ではないが、その前にすべきことがある。
2030年以降、日本はマイナス成長になると予測されているが、子どもを増やせるような環境づくりをすることと、働きたくても働けない若者たちや高齢者に雇用を用意すること、そして、女性の社会進出をすすめることである。

日本のGDPそのものはこれから下がっていくだろうが、日本全体のGDPよりも、一人あたりの収入を多くするような政策をとる必要がある。
非正規雇用の人たちの収入が安定し、一人あたりの収入が下がらないようにしたり、外国に工場をもっていくのではなく、国内で雇用を広げることが大事である。
そのほうが、いい製品ができるし、個人の収入が増えれば、経済が活気付く。
資本主義の循環を生み出す。
発想の転換が必要だと思う。

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2012年10月30日 (火)

どや顔の監督

ぼくは巨人ファン。
このところ巨人が調子がいいので、気分はいい。

だが、原監督がかつて不倫のもみ消しに1億円使ったと聞いて、なんだか白けてしまう。
勝利監督インタビューに原監督が出てくると、いやだなあと思うようになった。

どや顔なのだ。
どや顔とは、どや、すごいだろう、という顔のことだ。
顔の表情もしゃべり方も、どや顔。

1209276__ お気に入りのカップでコーヒーを飲むのが至福のとき

巨人ファンには申し訳ないが、巨人はお金を使って、よそのチームから選手を引き抜いたりしないで、もっと自分のチームで若い選手を育てることに全力をつくしたほうがいいと思うし、監督のどや顔はいただけない。

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原発事故521

福島第一原発の事故をきっかけに、原発の新規着工を凍結していた中国が、原発建設再開を指示したという。
これから中国、インド、ロシア、アラブ諸国、東南アジアなどが、原発建設を広げようとしている。

Img_7385 紅葉がはじまった岩次郎小屋からの風景

どの国にとってもエネルギー問題は大切であるが、2つ注意すべきことがある。
1つは、核不拡散体制に大きな打撃を与えるということだ。
今以上に核保有国を増やさないように、ヨーロッパやアメリカ、日本で核不拡散体制をとってきたが、原発が世界中に広がることは、その体制をゆるがすことになる。
開発途上国が原発をもったとき、原発を狙うテロを防ぐことができるか疑問もある。
テロリストに原発が襲撃されれば、地球全体がとりかえしのつかない事態になる可能性がある。

もう1つは、放射性廃棄物の処理の問題だ。
これは、世界中どこでも解決されていない。
核廃棄物を10万年も安全にコントロールできるとは思えない。
原発がこれ以上広がっていくのは非常に不安である。

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2012年10月29日 (月)

鎌田實の一日一冊(152)

「「平穏死」という選択」(石飛幸三著、幻冬舎ルネッサンス、880円)

石飛さんが「平穏死のすすめ」という本を書いたとき、ある週刊誌で対談を頼まれたことがある。

石飛先生は、もともとは血管外科医で、いまは特別養護老人ホームの医師をしている。
胃ろうをつけた患者は、30~40万人いるという。
胃ろうをつけると、一年間の医療費と介護費は、約500万円。
毎年1兆~2兆円の税金が使われている可能性がある。
問題は、胃ろうをおいて、その人が自分の生に満足できているかということだ。

Photo_2

石飛先生は「平穏死」という言葉を使った。
四国の疋田先生は「満足死」という言葉を使っている。
十分、生きた、満足だぞという思いで亡くなっていく死のことだと思う。

「安楽死」という言葉は、何か積極的に手を加えてしまう感じがあるが、「平穏死」はむしろ、本人が自然のままにまかそうという発想のようである。
寿命に引き算もしないし、足し算もしない死、とでもいうのか。これは鎌田の表現である。

たくさんの人が死のことを考え出したことは、とてもいいことだと思う。

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お知らせ

11月11日の「介護の日」セミナーは、席の余裕があと少し!
興味のある方は、お早めにこちらから申し込みを↓

http://www.gambaranaikaigo.com/

認知症ケアで、いま最も脚光を浴びてている敦賀温泉病院の玉井顕院長に来ていただき、どうすれば認知症を早期発見し、進行を遅らすことができるか、おもしろい話をしていただく。

葭田(よしだ)美知子先生からは「上手なおむつの選び方・使い方」。
失禁があると外出をためらう人が多いが、ぜったいに外にでたほうがいいというのが、ぼくたち「がんばらない介護生活を考える会」の考え方だ。
葭田先生がとっておきの方法を教えてくれる。

もちろん、鎌田の講演や、座長をつとめるシンポジウムもある。
年をとることはこわくないという話や、介護をしている人たちへのヒント、自分が年をとったときのための介護の準備の話など、実際的な話や心の栄養になる話などをする。

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2012年10月28日 (日)

原発事故520

電力会社6社が買い取れる風力発電量を少なく見積もっていることがわかった。
原発が動いていないにもかかわらず、100%原発が動いていると仮定して、電力がどれくらい足りないかを計算して、買う量を決めている。
もっと購入してもらえるならば、風力発電はもっともっと広がるはず。

1210241__ 諏訪中央病院の庭にも、秋の気配

こんな事故を起した後も、電力会社に好きなようにさせているのはおかしい。
民主党政権は、消費税アップに血みどろになるのではなく、こういう一つひとつのことに目配りして、新しい政治の息吹を吹き込むのが仕事だったはずだ。
消費税をあげることに全力を使い果たし、あとは何もしてない感じがしてならない。

消費税をあげることは、仕事としては10分の1くらいの仕事。
社会保障や教育、経済、エネルギーなど、もっともっとすべきことはあるはずだ。
人事もおそまつ。
大臣ポストには、その分野に合った人材を登用すべきで、ごくろうさんポストにはしてほしくない。

残された時間はわずか。
政府は、官僚や今までのしがらみや汚いシステムにのまれることなく、国民が望む新しい感覚の体制をきちんとうちたてるべきだと思う。

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2012年10月27日 (土)

お知らせ

今週と来週の「日曜はがんばらない」は、旅と本について、村上信夫さんと楽しく、ぐっとくる話をする。

日曜の午前10時から、文化放送。

聞き逃した方は、こちらからも聞くことができます↓

http://www.joqr.co.jp/kamata/

ポッドキャスト「空気に染まるな!」も、どうぞお聞きください。

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小豆島で

小豆島に行った。

ここは、小豆島の船着場だ。

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農村歌舞伎をおこなう場所の隣に、小豆食堂という食堂があり、なんとなくうれしくなった。

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小豆島はオリーブが有名で、いま、たくさんのオリーブの実が鈴なりだ。
ぼくが行ったときには、ちょうどオリーブ祭がおこなわれていた。
今年しぼられたエキストラバージンオイルを試食させてもらった。

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ぼくの大好きな八十八カ所の一つ、不動明で、国家安寧を祈ってもらった。
いままでは、自分のことや家族のことを祈っていたが、最近はまず日本がいい国でありつづけることをお祈りしてもらうことにしている。

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お堂で、二人の真言宗の僧侶の読経を聞いていると、不思議な感じがした。

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2012年10月26日 (金)

原発事故519

子どもをつれて、福島から山形へ避難しているお母さんたちに、放射線と健康の話をしてきた。
たくさんの質問に答えながら、お母さんたちの精神的ストレスはとても強いと感じた。
必死に子どもたちを守ろうとしている。

山形の人にとてもよくしてもらって、もうしばらくここで暮らそうと決めた人もいれば、一人で福島で暮らしている夫が精神的にまいってしまい、帰ろうか迷っているという人もいた。
基本的には自己決定することが大事で、その判断材料の一つとして、ぼくの知っている範囲の放射線の話が参考になれば、と思う。

Img_7325 山形で暮らす福島のお母さんたちと

チェルノブイリ原発事故では8600人の小児甲状腺がんの発生が知られている。
それ以外で、IAEAやWHOが認めた病気の増加はなかった。
しかし、ウクライナのドクターのなかには、心臓や血管系の疾患が4倍近く増えていると指摘する人もいる。
がんの増加は、統計的に有意ではないが、ウクライナのドクターたちにいわせると、10万人当たりの発生率は原発事故前は200人だったのに対して、原発事故後は310人になった、という。
じわじわと多くなったと主張しているのである。
そのほか、脳血管疾患や心筋梗塞、がん以外の甲状腺疾患、白内障などが多くなっていると主張している。
少なくとも放射線は、活性酸素と同じようなフリーラジカルであるから、これらの病気になるリスクを少しあげると考えたほうがいい。
だから、放射線の影響がなんにもないなんて考えず、十分注意する必要がある。

福島に残って暮らすには、きちんと定期的に体内被曝を測定し、できるだけ検査したものを食べる必要がある。
ただ、こわがりすぎる必要はない。
今年2月からは有意の体内被曝者は発生していないということも事実である。
外部被曝に関しては、JCFが福島の50人に対しておこなっている積算線量計の調査からも、対処法がわかる。
福島県内で暮らす子どもや妊婦に、1年数ヶ月、積算線量計をつけてもらった結果だ。
日本の自然放射線の被曝量は平均1.4ミリシーベルトであるが、福島県に住む50人の平均は約2ミリシーベルトだった。
ただし、鉄筋コンクリートのアパートに引っ越した人などは、松本で暮らしている人と変わらない、平均的な数値に近いこともわかった。

健康への害の大きさは、体内被曝量+外部被曝量と考える。
外部被曝を受ける量が多いところで暮らしている人は、食べ物などから内部被曝を受けないように気をつける必要があるということだ。

Img_7332 山形から大阪へ。そこで、雲間から太陽が不思議な光線を放っているのを見た。うつくしい夕景だった。

福島に帰るかどうかは、それぞれが自己決定するしかない。
ぼくがかかわった検査の数値を示して、お母さんたちがもう少し山形で避難を続けようと考えるか、福島に戻ろうとするかは、お母さんたちが決めていくしかない。

「鎌田先生の孫だったらどうしますか」と聞かれたら、どう答えるか、自分でも正直わからない。
低線量被曝のリスクはわからないことが多い。
ぼくの孫だったら、念のために安全なところに出るという可能性が高いと思うが、やはり、わからない。
低線量被曝に関しては、絶対的な正解がないので、○に近い△を探すしかないと思う。

本当はもっと、正直にこういう話を福島県の中でも、県外でもできるといいのだ。
放射線はわずかでもダメという人と、だいじょうぶという人とが、空中戦のようにむなしい戦いをするのではなく、微妙なところをどうしたらいいのか、専門家がきちんと入りながら、子どもをなんとか守りたいと思っているお母さんたちと、膝詰めで何度も話しながら、○に近い△を見つけていくことが大事なのだと思う。

お母さんたちに、おいしい芋煮汁をつくってもらった。
ぼくから、行列ができるラスク屋さんのラスクをもっていった。
それから、ぼくの本を読んで感激したくれた方が3万円の寄付をしてくれたが、その方に許可をいただき、この山形のお母さんたちに寄付してきた。

こうした支援は、これからも続けていこうと思っている。
11月13日の夜、南相馬の小中学校で、南相馬市立総合病院でホールボディカウンタの検査をしている坪倉先生と二人で、PTAの方々の質問に答えようと思っている。
その日の午後は、小高(おだか)中学の子どもたちに「命の授業」をしようと話が進んでいる。
14日はいわき市で講演をする。
11月28日午後1時30分からは南三陸でボランティアの講演会、6時30分からは陸前高田でボランティアの講演会をおこなう。
12月1日、郡山でJIM-NETがサポートしている農家の人たちと収穫祭を祝いながら、農家の人たちの質問に答える勉強会をする予定。

相手の身になり、わからないことはからないといいながら、福島の人たちといっしょに、どうやって自分や子どもたちの健康や命を守っていったらいいか、話しあいを続けていこうと思っている。
正解探しの旅である。

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2012年10月25日 (木)

がんばらない経済学⑪

EU第4位の経済力をもっているスペインがいま土俵際にある。借金77兆円を抱えている。
それに対して、日本の借金は960兆円。
もうすぐ1000兆円になるといわれているが、ギリシャやスペインのように大騒ぎされないのは、日本が253兆円という世界一の対外純資産をもつ国だからである。
940兆円の国債のうち、外国人がもっているのは81兆円にすぎない。
国内の金融機関620兆円とその残りは国民が買っている。
国民は1470兆円の貯金ももっている。

日本の経済をよくしていくには、内需をどう広げていくかがカギを握っている。
多くの人が電化製品を買ったり、家を建てたり、車を買ったりして、1470兆円の国民の貯金のうち、1割が動き出せば、もう一度元気な国にすることができる。
みんなが、この1割を使おうという気になればいいわけである。
それにはリーダーが大事である。

Img_7295

この10年、日本には政治のリーダーがいなかった。
ここが一番の問題のように思う。
どうしようもない小粒の政治家たちであるが、国会が開かれないのはまずいと思う。
経済だけでなく、外交問題、社会保障の一体改革、いじめの問題・・・。
国会で討議しなければいけない問題は山積みである。
いつまでもチクリチクリと政局をやっているヒマなんてない。
本当に日本が進むべき道を議論すべきである。

消費税の問題も、個人の黒字や企業の黒字を考えれば、財務省がいうほど消費税をどうしても上げなければならない状況ではなかったと思う。
しかし、いずれ消費税を上げなければたちゆかなくなるから、いつかやることは賛成であるが、自分の政権をまとめられず、政権を弱体化させてでも、消費税を上げなければいけない理由はなかったはず。

そういう意味で野田さんはセンスがない。
世界観が読めていないのではないか。
だれかがやらなければいけないから、自分がやり、歴史的な評価を受けようと思ったと思われてもしかたない。

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2012年10月24日 (水)

鎌田實の一日一冊(151)

「藤村家のカレンダー 毎日を喜んデー」(藤村みか代著、Sweet Thick Omelet 1575円)

オヒョイさんこと藤村俊二さんは、ぼくの大好きな俳優。
オヒョイさんのことは、エッセイに書いたことがあるが、生き方もダンディだ。

対談をしたとき、若い奥さんがついてきた。
それがみか代さん。
マネジャーで、オヒョイさんのプロデュースをしている。
それだけでなく、オフィスオヒョイの代表取締役社長までしている。
なかなかのツワモノである。
黒沢久雄さん、小松政夫さん、寺尾聡さんのマネジメントもしているというから、えらいことだ。

オヒョイさんのマークが入った、黒と白のTシャツをぼくは着ている。
みか代さんからもらったものだ。

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このみか代さんがエッセイを書いた。
震災直後に、水やおかゆ、薬を被災地に送ろうとする姿はなかなか頼もしい。
ぼくたちのようにNPOを組織しているわけでないのに、情熱だけで突然、ハードルをのりこえてしまうバイタリティーはすごい。
おそらく、みか代さんの人間的な魅力が、いろんな人を動かすのだろう。

オヒョイさんはいつでもステキだが、オヒョイさんを支えているマネジャーで奥さんのみか代さんのすごさもよくわかった。

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がんばらない経済学⑩

中国との“冷戦”はしばらく続きそうである。

中国は失業率が高く、大学を卒業しても企業に就職できず、不満が鬱積している。
反日デモはそんな不満のなかで共産党が許すわずかなデモが、暴れ出してしまったのである。
反日デモの実際は、半分が反日、半分が仕事のないつらさであり、政府に向いた刃だったのだと思う。

67万人の中国人が日本で生活している。
この67万人を日本人は大事にしてきたではないか。
日本人が中国人に石を投げたなんて話は聞いたことがない。

Img_2315 赤く染まりはじめた、岩次郎小屋のドウダンツツジ

ヨーロッパ経済が不調になったと同時に、各国の中国への投資もおさまった。
そのなかで今年8月まで、日本だけが投資を16%増加してきた。
日系企業では1000万人の中国人を雇用している。

日本が中国に2.5兆円の援助をしてきたなんて、中国人はあまり知らないだろう。
日本政府も、甘いお金の使い方をして、きちんと中国に伝えてこなかった。

日本は決して外需のみに頼っている国ではない。
その外需のうちの、中国は約2割。
中国が大人になっていくならば仲よくしていくべきであるが、いつまでも子どもっぽいことをしつづけるならば、中国に資本投下をやめ、ミャンマーやベトナムなどのアジアへ工場を移していけばいいだけの話である。

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2012年10月23日 (火)

鎌田實の一日一冊(150)

「鎮魂と抗い--3.11後の人びと」(山本宗補著、彩流社、2625円)

東北の大震災を祈りとか、鎮魂という切り口で、写真にうつしとっている。
見事だ。

Photo_3

悲しみがあふれてくる。
静かな怒りも見えてくる。
全体を通して、それでも負けない、と闘いつづける姿が見えてくる。
すばらしい写真集だ。

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鎌田流・健康レシピ⑧~低糖質でダイエット

低糖質ダイエットに挑戦中だ。
体重は77キロ、BMIは26.8。
BMIは体重(kg)÷身長(cm)÷身長で求める。

BMIは25までは正常とされているが、ぼくの「ちょい太でだいじょうぶ」理論では、男性はBMI27~28までは、健康で長生きしているというデータがある。
ちょい太でいいのである。
だから、ぼくはおいしいものはきちんと食べる。

1210171__ トンカツを食べても、体重コントロールはできる

それにしても、ダイエットで、トンカツ?
と思われるかしれないが、必須アミノ酸は体のなかでは合成できないので、お肉を食べる必要がある。ご飯は食べない。
その分、カキフライを食べる。
亜鉛をとるためだ。

フライのコロモは糖質だが、糖質を完全に絶っているわけではない。
ご飯をとっていないので、コロモくらいなら低糖質におさえることができる。
ただし、順番が大事。
キャベツをおかわりして山盛り食べてから、トンカツを食べる。

1210172__ キャベツ山盛り、ごはんは食べない

日ごろから、若い人たちや編集者たちにご馳走してして歩いている。
子どもや孫たちが来れば、できるだけおいしいものを食べようと、みんなで出かける。
これだけおいしいものを食べて、体重のコントロールに成功しているのは、糖質を取り過ぎないようにしているためだと思う。
おいしいものを食べる日が続いたときほど、ご飯やパン、スイーツなどの糖質を避けるようにこころがけているのだ。

食べる順番は、家にいるときにはトマト寒天、その後、野菜、おかず。
ごはんは食べない。
外では、どんぶりものが好きなので、どんぶりものやヤキソバは食べる。
それは、自分の幸せホルモンを出すためと割り切っている。

帯状疱疹後の神経痛は触るとピリピリするが、あまり気にしないようにしている。
気にしてもどうすることもできない。
初期のうちに抗ウイルス剤やビタミン剤、神経痛の薬を飲んだが、今はいっさい飲んでいない。
みなさんから「だいじょうぶですか」と聞かれるが、だいじょうぶ。
気で負けないように、ニコニコしている。

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2012年10月22日 (月)

原発事故518

長野県の佐久市で採取された野生のキノコから、1キロ当たり2100ベクレルの放射性セシウムが検出された。
同市の群馬県境の林の中で、昨年10月にもチャナメツムタケというキノコから、1320ベクレルが検出されている。
昨年3月15、16日、水素爆発があったとき、北へ上がり南へ下がった風は、途中、東から西へ向かう風にのって、群馬と北長野に放射性セシウムを運んだ。
しばらくは、測定していない野生のキノコは、食べないほうがいいと思う。

JCFでは、松本近辺や大町、安曇野など、中信のキノコを測定しているが、100ベクレルを超えるキノコは発見されていない。
大町のキノコが24ベクレル、それ以外は検出限界以下である。

Img_7309 もうすぐハロウィン

子どもたちの給食をつくっている松本市の給食センターとJCFは連携して、食材の測定をしているが、今のところ、放射能は検出限界以下であった。
このシステムはとてもすぐれていて、松本市が放射能の見える化に積極的であることがわかる。
給食の食材は調理の前日に調べるので、もし、放射能が検出されれば、翌日の調理にすぐにストップをかけることができる。
どうやって、放射能の見える化を徹底するか。
これが大事だと思う。

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鎌田實の一日一冊(149)

「ナマケモノ教授のぶらぶら人類学」(辻信一著、SOKEIパブリッシング、1575円)

辻先生は、ぶらぶら主義宣言をし、「我々は誰もみな、ぶらぶらするために生まれてきたのだ」なんて心強いことを言っている。
ときどき「がんばらない」カマタも登場する。

Photo_2

カナダ先住民族の文化や環境運動を知るために、カナダに行ったり、ブータンに行ったり、さらにキューバやチェルノブイリへ行ったり。
なんだかわけがわからないような、世界のさまよい方をしているが、読んでいくと、人間を大事にし、その人間が生きていく場である自然を大事にし、その自然を守っている地球を大事にしていることがよくわかる。

辻先生から携帯用の箸をいただいた。
割り箸は極力使わないように、と言われた。
このごろ、ちょっと持ち歩いていなかったが、この本をきっかけに辻先生を思い出しながら、持ち歩こうと思っている。

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2012年10月21日 (日)

11/11介護の日セミナー

11月11日は介護の日。
「がんばらない介護生活を考える会」が介護の日の11月11日、東京・内幸町のイイノホールで、介護の日セミナーを開催する。
今年は第10回記念。

第一部(10.0~12.30)
いま日本でもっとも先進的な認知症対策事業に取り組んでいる敦賀温泉病院の玉井先生の認知症の診断と治療の話や、管理栄養士の江頭さんによるお年よりの低栄養について話を聞くことができる。

第二部(13.0~15.30)
仕事と介護の両立、排泄ケアの専門家によるおむつの使い方など、ちょっとよそでは聞けない話が聞ける。
鎌田が司会をする「介護と幸せな人生の両立のために~プロに聞くがんばらない介護生活のコツ」もある。

Img_2314 岩次郎小屋のまわりも、少しずつ紅葉がはじまっている

介護問題の最先端で、しかも、わかりやすい話がいっぱい。
いま介護している方だけでなく、これから介護にかかわるかもしれないすべての方に、参加してもらいたい。
無料。
申し込みが必要なので、お早めにお申し込みください。
詳しくはこちら↓

http://www.gambaranaikaigo.com/index.htm

                  ◇

10/20付の毎日新聞連載「さあ これからだ」では、高齢者問題に切り込んでいる。
ちょっとおもしろい切り口。
こちらもご覧ください。

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2012年10月20日 (土)

鎌田實の一日一冊(148)

「さようなら原発の決意」(鎌田慧著、創森社、1470円)

利権まみれの原発絶対体制の闇と罠を徹底的にあばく。
被爆国日本だからこそ、脱原発のドイツなどといっしょに次世代のため、使用済み核燃料の廃棄処分の問題をかかえた原発を拒絶する生き方を、鎌田慧さんが掘り下げる。

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お金入りの毒まんじゅうがばらまかれ、たくさんの人たちが金に負ける。
それで果たして、幸せになったのか。
原発があることにより、民主主義とか、正義とかが壊されていく。
いろんなところで密約が交わされる。
一部の人がお金を懐に入れる。
そんなことが生々しくわかる本である。

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2012年10月19日 (金)

諏訪中央病院・病院祭

諏訪中央病院 病院祭。

たのしいイベントもりだくさんです。ぜひお越しください。

10月27日(土)10:00~15:00

入場無料・雨天決行。

2012・ 自分の体のこと、もっと知ろう。
・ 健康・病気のこと相談
・ 病院食の試食など体験会
・ 講演会
・ ロビーコンサート
・ グリーンボランティアによるバザー
・ 休憩コーナー・キッズ遊び場もあります。

くわしいスケジュールなどはこちら

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原発事故517

今週発売の「週刊ポスト」で、福島でのホールボディカウンタによる体内被曝の4万件のデータを紹介している。
そのデータについて、福島から山形に避難している子どもをもつお母さんたちの質問を受ける会に、山形に行ってくる。

Img_2310 紅葉がはじまった岩次郎小屋の庭。色づいた葉が夕日に映える

体内被曝は、昨年暮れまで程度が軽いものであったが、1.5%ほどあった。
今年になってからは、ほとんどなくなっている。
しかし、おとなの体内被曝では、年間1ミリシーベルトを超えそうな夫婦がいた。
その夫婦は、14万ベクレル/キロというような高汚染の干しシイタケを食べていた。

福島にいて安心という状況とはいえず、福島で生活するならば健康診断を丁寧に受け、放射能の「見える化」をして測定したものだけを食べるという習慣を身につけ、子どもたちはチャンスがあるなら保養に出ることが必要なように思う。

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おトキさんとのコンサート&講演会

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先日、松本で行われた加藤登紀子さんと鎌田實のチャリティーコンサート&命の講演会。
JCF20周年を記念しておこなわれた。
本当は、昨年が20周年だったが、大震災のため救援活動に奔走し、20周年どころではなかった。

JCFの本部がある松本では、たくさんの人たちが協力してくれて、20年間走りつづけることができた。
その人たちに感謝する意味での、コンサートと講演である。

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県内でも、地震の被害がひどく、家が壊れた栄村の人、福島から疎開している人たち、信州大学のドクターや看護師たちも招待した。
チェルノブイリから子どもたちが来ると、いつも交流してくれた松商学園の子どもたちが、お手伝いをしてくれた。
いまやJ2で有名になりつつある松本山雅FCも、社長をふくめスタッフたちが駐車場の誘導をしてくれた。
JCFは3階建てのビル一つを借りているので、山雅に収入がなく厳しかったとき、軒下を貸した縁がある。そのお礼に、今回お手伝いをしてくれたのだ。

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本当に松本はあたたかい。
たくさんの人たちの支えられて、21年目にして20周年記念のコンサート&講演会をおこなうことができた。
感謝、感謝、感謝。

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2012年10月18日 (木)

鎌田流・健康レシピ⑦~うつ病3億5千万人

世界のうつ病患者は3億5000万人という推計を、WHOが発表した。
世界の人口の5%という。

女性の5人に1人がマタニティブルーといわれる産後うつと関連性があるという。
うつ病の発症は、心臓病にも関係がある。
心臓病だけでなく、がんのなかでも症状がつらい咽頭がんなどとも関係しているのではないかと昔からいわれている。
心臓移植をうけた人もうつを発症しやすいという。
心臓移植は成功しても、免疫抑制剤を使っていることや、移植をうけたという精神的な負担がうつ病を起しやすいといわれてきた。
膠原病などの難病と、うつ病が関係しているというのも昔からいわれているが、はっきりとした根拠はない。

Img_7300 一日5分でも空を見上げよう。「きれいだな」と感動を声に出すことが心の健康にもいい

WHOは、厳しい経済状況や失業、災害に直面するとうつ病のリスクが高まるとしている。
日本では今も推計100万人の人がうつ病をふくむ気分障害にかかっているといわれている。
うつ病というほどではないが、8人に1人がうつ傾向にあるというデータもある。

うつ病になったら薬の治療が大切だが、それ以前の人たちは、毎日、小さな感動をして、幸せホルモンというセロトニンを分泌させるように心がけることが大事だと思う。

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2012年10月17日 (水)

10/27病院祭

10月27日、諏訪中央病院で第四回病院祭が開かれる。
動脈硬化度や骨密度、筋力測定、口臭チェックなど、自分の体のことを知ったり、病院食の試食、内視鏡カメラや電気メスの操作体験などができる。

2012クリックすると大きくなります

若林医師による「生活習慣と動脈硬化の話」や、奥医師による「考えよう!!ココロの元気。カラダの元気」の、医学のお話もある。

また、地域の子どもたち、看護学校の生徒たちによるロビーコンサート、いつも病院内で活躍してくれているボランティアのみなさんの活動紹介や、本の読み聞かせ、グリーンボランティアがつくった小さな香りの花束、ドライハーブティー、ジャムなどのバザーなど、楽しめるプログラムがいっぱい。

Photo病院祭のプログラム(クリックすると大きくなります)

秋の一日、諏訪中央病院で楽しみながら、医療を身近に感じてみませんか。

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皆生温泉、安来にて

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ゲケゲの鬼太郎の境港からすぐのところにある、皆生(かいけ)温泉に行った。
ビジネスホテルのような温泉だ。
写真は、皆生温泉の夕焼け空。

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翌朝は慌しく、6時15分にホテルを出て、安来で講演。
安来市にある足立美術館に行き、庭園と北大路魯山人の器、横山大観の絵を堪能した。

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すごい美術館だ。

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2012年10月16日 (火)

イラクとの関係

国際エネルギー機関が、20年後、イラクが産油大国になると発表した。
現在、世界シェアで3%ほどしかないが、2020年までに7%、2035年には9%までふえる見通しということだ。
いずれの時点でも、世界最大の伸びで、世界の増加分の半分ちかくをしめている。

イラクといえば、ぼくたちJIM-NETは、イラクの子どもたちの救援活動をはじめて8年になる。
スタッフもアルビルに常駐し、積極的な活動をおこなっている。

L1070939 JIM-NETは8年間、イラクの子どもたちの医療支援を続けている

石油は、日本の経済にとって生命線である。
もちろん、ぼくたちには日本という国を守る意識もあって、いっしょに支援活動をおこなっている。
国といっても、人づきあいと同じように、自分がいちばん苦しいときに、自分の国の病気の子どもを救ってくれた国に好意をもつはず。
国と国の関係はこういう関係が大事である。

イラクのインフラは老朽化してきている。
イラクの石油開発にかかわっているのは日本企業では2社だけ。
しかし、今の円高を利用し、もっと積極的にイラクの石油開発を支援し、エネルギーの安定供給にはかるべきだと思う。

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2012年10月15日 (月)

原発事故516

福島県の原発事故後の健康管理調査で、毎回、事前に秘密会がおこなわれていることがわかった。
とんでもないことだ。
一例、子どもの甲状腺がんが発生している。
それに対して、がん発生と原発事故に因果関係はないという共通見解を出すための脚本をつくったのである。
こういうことをするから、言葉に信頼がなくなる。

リスクコミュニケーションとしてはもっともいけないパターンである。
県民とのコミュニケーションをよくし、自分たち専門家が発する言葉に重みを出すためには、まず正直であることと、透明性が大事だ。
閉じこもったところでなされた論理は、言葉の力を失っていく。

Img_2006

福島県はさらに、県民健康管理調査の検討委員会の議事録について、県民から公開請求を求められたが、当時、記録が残っていなかった3回分を急遽、作ったということが今頃になってわかった。
とんでもないことである。
データを改めるときには、その経過も報告すべきである。
震災後の混乱した状態で、議事録を3回分とれなかったので、メモをもとに議事録に近いものを公開しますという、きちんとした説明が必要である。

原発に関する情報公開は、あまりにもお粗末で、卑怯なことが多すぎる。
なぜ、公明正大にできないのか。
県民健康管理調査の検討委員会は、メンバーを変えて、あらためて出直したほうがいいと思う。

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お知らせ

今週の月曜日~金曜日、ニッポン放送「高嶋ひでたけのあさラジ!」に朝5:50~、6分ほど出演します。

http://www.1242.com/program/asa/

テーマは「がんばらない健康法」です。

ぜひ、お聴きください

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2012年10月14日 (日)

原発事故515

脱原発依存というならば、政府は新しい原発をつくらないことを徹底させるべきである。
2030年までに原発をできるだけゼロにしようといいながら、数年後に新しい原発ができてしまうのはなんとも納得できない。

山口県の上関原発1、2号機は、予定地周辺本の海域の埋め立て免許が更新されず、建設計画がストップする。こうやって一つひとつ明確にしていく必要がある。

1208115__ 夏に訪れた立山

37.6%建設がすすんでいる青森県の大間原発の建設が再開された。納得できない。
島根原発3号機は、93.6%建設がすすみ、現在建設は止まっている。次に建設が再開される可能性があるのはここだ。
東通原発1号機は、9.7%まで建設が進んでいるが、止めるべきである。

ぼくたちは東日本大震災を経験して、何を学んだのか。
美しいけれど自然災害が多い日本という特殊性のなかで、できるだけ多くの人が生活を充実させながら生きていくにはどうしたらいいか、発想の転換をしなければいけない。
地熱、風力、シェールガスなど、新しいエネルギー技術の開発と安定確保を、10年以内に形に見えるようにしていく必要がある。

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2012年10月13日 (土)

チャリティー講演会

和田小学校創立80周年記念事業

「チャリティーコンサートと講演会」 和田小の風をおこそう!!

2012年11月24日(土) 10:30 受付開始 和田小学校体育館

Ⅰ部 : 11:00~12:00 コンサート(東京佼成ウィンドオーケストラ)

休憩 : ランチタイム

Ⅱ部 : 12:50~14:15 鎌田實 講演会 

 「がんばらない」けど「あきらめない」
 ~子どもや若者がいきいきと生きられる街を作る~

入場無料です。お近くのみなさま、ぜひご参加ください。

アクセスなどは・・・杉並区立和田小学校のHPへ

※上履きをご持参ください。

※学校施設見学会 同時開催

※義援金箱を受付に置かせて頂きます。
「鎌田實国際支援基金&大震災義援金資金」として、和田小学校より寄贈予定。

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お知らせ

来週の月曜日~金曜日、ニッポン放送「高嶋ひでたけのあさラジ!」に朝5:50~、6分ほど出演します。
テーマは「がんばらない健康法」です。

ぜひ、お聴きください。

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コーヒーとおまんじゅう

福島の人たちはあたたかい。

南相馬のジュンさんが、飯舘村の椏久里(あぐり)という喫茶店のブルーマウンテンを送ってくれた。
ぼくとさだまさしさんが施設を慰問したことに感激したとのこと。
あぐりのブルマン、絶品だった。

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また、別の福島の方からは、柏屋の薄皮まんじゅうが送られてきた。
この薄皮まんじゅうはとても有名で、震災後なかなか売れなかったときに、北海道の六花亭が、おなじお菓子屋さんということで、復興支援を申し出、六花亭で製造する協力をした。
ぼくたちがイラクの子どもたちの薬代をつくるために行っているチョコ募金の、あのチョコレートをつくっている、あの六花亭である。

ふしぎと、みんなつながっている。

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2012年10月12日 (金)

原発事故514

2030年ゼロシナリオを、政府は明確にせず、あやふやな閣議決定をした。
本当にどうしようもない人たちだ。
こんな決定をするならば、まだ15%にこだわったほうが、政治的なスタンスとしてはよかったように思う。
あれだけ揺れてゼロに傾いていながら、閣議決定をあやふやにしてしまうのは、信頼を失うもとである。

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ドイツでは、福島第一原発の事故をうけて、ただちにリスクのある原発8基を停止し、残り9基を2022年までに停止することを決めた。
この決定は、日本はドイツよりも早く、2020年までに原発を停止すべきという鎌田の主張の根拠になっいる。
スイスは、今動いている原発5基を2019~34年にかけて順次停止する。
ベルギーは、代替エネルギーが得られる条件をみたしたとき、7基を2025年までに停止すると発表した。

原発に代わる代替電源は、地熱と風力、シェールガスであり、熱量の再利用と省エネも求められている。
日本政府はお金を投入し、地熱や風力の技術をのばし、世界の先頭を走れるようにすべきだ。
省エネと、熱量を有効に利用する新しいシステムも、日本で開発できるのでないか。
これらは、世界に輸出できるような産業になると思う。

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2012年10月11日 (木)

富士宮のヤキソバ

富士宮ヤキソバは2回、B-1グランプリで優勝している。
めんがもちもちして不思議な食感だ。

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「空気に染まるな!」第6回 本日配信!

「空気に染まるな!~新しい日本を考える」 
vol.6 本日配信!

【第6回】『雪とパイナップル』~絵本から命を学ぶ~

中学の教科書にも採用され、反響を呼び続けている絵本「雪とパイナップル」。
放射能の恐ろしさ、命の大切さ、幸せとは何かを学ぶ。

iTunesで聴く
PCですぐ聴く

空気に染まりやすい日本。空気を読みすぎる日本。
しかしときには、よどんだ空気をかき回し、新しい風をふき起こそう!
ベストセラー「がんばらない」で日本中を涙に染めた医師・鎌田實が、空気に染まらない新しい生き方を提唱する。

イラク、チェルノブイリ、パレスチナ…世界中を旅して得た人と人とのつながり。
「ウェットな資本主義」など独自の経済観。
音楽プロデューサーとしての顔も持つ鎌田の芸術の世界。
命、人権、教育、医療。
そして今鎌田が最も力を注いでいる被災地支援、原発問題。
生き方のヒントが満載、新感覚ポッドキャスト!

毎週木曜配信中!

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原発事故513

電気料金が11月に値下げされることが発表された。
原油と石炭の価格が大きく下がったことが原因である。

もっとも値下げが大きいのは沖縄電力で144円。
中部電力は12円値下げ、東京電力は47円安くなる。

もともと沖縄電力は本土と比べて、1.12倍高かった。
原発をもっていない沖縄は、1.12倍しか高くなかったともいえる。
今度の値下げで、沖縄は本土とほとんど差がなくなる。

Img_7203 この夏、涼やかな花を咲かせた福島産の朝顔

政府は、2030年代に原発をゼロにすると電気料金が2倍高くなるとしているが、これはずるい表現だ。
原発を使いつづけても1.7倍になるのだ。
原発をやめても、続けても、電気料金の差はほとんどなくなるのだ。

アメリカのシェールガスが安定的に供給されれば、さらに燃料代は安くなる。
同時に、シェールガスにおされて、石炭や石油の値段もダンピングされるはずである。
すると、10万年もの放射性廃棄物の処理のことを考えたり、今回の原発事故の補償など、事故への保険

を考えながら、原発を推進していく意味はなくなっていく。

にもかかわらず、原子力規制庁は、大間原発の建設工事の再開に何もいわない。
少なくとも新しい原発をつくらないというのが、福島第一原発を経験し、たくさんの人を不幸に陥れた、日本という国の転換の第一歩ではないか。
原発の建設工事をやめる、ということを明確にし、決断をすることが政治の役割だと思う。

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2012年10月10日 (水)

唐組「虹屋敷」

紅テント唐組第50回公演のゲネプロに行ってきた。
ディレクターズチェアが二つ置かれ、唐十郎と肩を並べながら、大笑いしたり、ニヤニヤしたり。
思い切り楽しんだ、今度の芝居は「虹屋敷」という。
分裂気質の唐十郎の、現代にしかけた見事な芝居である。

ある裏町、ねずみ駆除に走り回る消毒マン、タグチ。
借金を背負い、自己破産しようとする青年ニシタニ。

破産しても「自己」は破産しないという大きなテーマが流れながら、自己とは何か、自分とは何かを問う。
あいからわず、舞台には水が使われ、下水道を役者たちが走りまわる。
ニシタニとタグチが、入れ替わりながら、戦後の妖怪、岸信介やストリッパー浅草ローズが芝居に組み込まれ、小さな世界と大きな世界が錯綜し、分裂し、そして、統合していく。

芝居は、13、14、20、21の土日に吉祥寺・井の頭公園で、26~28日に雑司が谷・鬼子母神で上演される。

唐組芝居をぜひ、体験してみてください。

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チャリティーアートカバンオークション

高島屋京都店で、第2回東日本大震災復興支援チャリティアートカバンオークションがおこなわれる。

鎌田も、兄貴分の原田泰治さんとコラボレーションしたカバンを出品した。
一澤信三郎帆布のカバンに、原田泰治さんのあたたかみのある絵と、鎌田の文字とをデザインした。
原田泰治さんと鎌田とのコラボははじめて。
自分でいうのも何だが、持つだけでうれしくなるような仕上がりになった。
もちろん、一点モノ。

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ほかには、桂文枝さん、釣りバカの北見けんいちさんなど、おもしろいメンバーが素敵なデザインのカバンを出品している。
売上金全額は、被災地復興のために寄付される。
事前入札は、高島店一階のゆとりうむでできるようだ。
オークションの開催日時は、10月21日13時から。事前入札もふくめて、いちばん高い金額の方に落札される。

作品であるカバンは、10月11日から20日まで、高島屋京都店で展示される。
関西方面にお出かけの方は、ぜひ、ご覧いただき、気に入ったら、入札してください。

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2012年10月 9日 (火)

原発事故512

緊急時避難準備区域が解除されて1年が経った。
この区域には、川内村や南相馬市、田村市など5つの行政区が関係しており、かつては人口5万9000人が暮らしていた。
現在、半数が避難したままである。

どこで暮らすかという問題は、情報公開をもとに、住民自身が自己決定することが大事である。
だから、できるだけよその者が口を出さないように心がけてきた。

緊急時避難準備区域が解除されても、すぐには住民はもどってこれない。
おそらくこの傾向はしばらく続くと思う。
特に、子どもを育てている世代は、しばらくの間、帰らないのではないか。
仕事をもっている人たちも、勤め先の問題で戻ることはむずかしい。
お年よりと農業関係者は戻れるかもしれないが、その人たちだけでコミュニティーをつくっていくのはむずかしいように思う。

1209048__ 岩次郎小屋の庭の小道

20キロ圏内の、原発に近い地域の帰還はさらに厳しいものが予想される。
5年後に帰還の許可が出るとしても、子どもや若者たちは戻るだろうか。
生活するには仕事もみつけなければならない。
それぞれの該当地域の人が考えることであるが、できたらコミュニティーを壊さず、新しい地域づくりをちがう土地で検討することが大事なのではないだろうか。

いろんな事情や判断で、避難した人も、残った人も、避難先から戻ってきた人も、戻りたいけれど戻れない人もいる。
絶対的な正解はない。

原発を必要とするような20世紀的「豊かな世界」は、こんなむずかしい選択をぼくたちに迫っている。
成長しつづける経済を支えるエネルギーよりも、穏やかで幸せに暮らせるエネルギーのあり方を考える時が来ているように思える。

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2012年10月 8日 (月)

コーヒー好き

お酒をあまり飲まないので、その分、コーヒーにこだわっている。
全国を飛びまわり、疲れて、岩次郎小屋に帰ってきて、コーヒーを飲むのが至福のときだ。

この日は、タンザニアをカリタでいれた。
先日、飯舘村の佐藤健太くんから、飯舘村にあった有名な喫茶店、椏久里(あぐり)の、タンザニアとマンデリンのコーヒーをいただいたが、その豆だ。

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カップは、あたたかみがあり、口当たりがまろやかな感じがするので、厚手のものを使っている。
右側のカップは、野口英世が勉強したといわれている会津の医院の下の喫茶店で買ってきたものだ。
つい最近もその喫茶店を訪ねた。
野口英世の顔がチャップリンにも見える。
なかなかクラシカルなカップで、気に入っている。

左側のカップは、イノダのカップ。
京都に行ったときには、鍵善でくずきりを黒蜜で食べ、イノダのコーヒー店に行くというのが、ぼくの楽しみの定番のコースになっている。

ぼくのコーヒー好きを知って、山口県の横山さんという方から、いつもガラパゴスのコーヒーをいただいている。
これも抜群にうまい。

コーヒーの味わいはほんのわずかな違いだが、なんとも幸せな気持ちになる。
コーヒーの香りをかぐだけで、幸せホルモンのセロトニンがたっぷり分泌されるような気がするのだ。

たまっている原稿を書きながら、一つ仕上:げるたびに、タンザニアにしようか、ガラパゴスにようか、などと迷うのもまた楽しい。

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2012年10月 7日 (日)

名優の冥福を祈る

大滝秀治さんが亡くなられた。
ドラマ「がんばらない」で、大滝さんはぼくの父・岩次郎の役を演じた。
このときも、実に名演技であった。

頑固一徹で、愛情にあふれている、口数の少ない岩次郎を見事に演じてくれた。
大滝さんの演技は、在りし日の岩次郎を彷彿とさせるものがあった。
本当に雰囲気が似ているのである。

名優・大滝秀治さんのご冥福を心からお祈りいたします。

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鎌田写真館~朝焼け

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5時15分ごろの空の様子。
あまり見たことがない光が八ヶ岳を覆った。
台風が来ることもあってか、なんとなく荒涼とした雰囲気もある。

地球はやっぱり美しい、と感じた一瞬だった。

朝の光を浴びると、その16時間後、眠りをおこすホルモンが分泌される。
体を起こし、頭のウォーミングアップがはじまる。

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2012年10月 6日 (土)

90歳の人気ブロガーの本

90歳のさっちゃんのブログが、本になった。
「90歳人気ブロガーさっちゃんの また、あした。」(堀江幸子著、扶桑社)だ。

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さっちゃんは、毎日2000件もアクセスがある90歳の人気ブロガー。
かっこいい。
詩人で、エッセイストで、挿絵画家である。
もちろん、どれも素人なのだが、なかなかの絵をかき、なかなかの文章を書く。

鎌田實がこの本の「はじめに」を書いている。
とても美しい、いい本です。
読んでみてください。

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2012年10月 5日 (金)

パレスチナ難民の命を守る日本人

約2ヶ月前、パレスチナのヨルダン川西岸やガザなど訪ねたとき、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)の清田先生の案内で、いくつかの診療所を見学した。
家庭医制度が、パレスチナ難民の命や健康を守るうえで大きな貢献をしているのを、自分の目で見てきた。

Dsc_0004 パレスチナ難民の命と健康を家庭医制度でまもろうとする清田ドクターと

500万人のパレスチナ難民の命を守るために、職員総数3000人のUNRWA医療サービスのリーダーをつとめているのが清田先生だ。
日本人が、こんな形で世界で活躍しているのを見ると、とてもうれしくなる。
どんな活動をしているのか、ちょっとご紹介しよう。

「すべてのパレスチナ難民に家庭医を」~UNRWA医療サービス再生計画~

1949年設立された国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)は、中東のパレスチナ難民に保健、教育、社会保障を中心とした人道的支援を行う国運機関です。2年前にUNRWAの保健局長に就任し、約3000人のスタッフを率いて医療サービス改革を進めているのが、日本人職員の清田明宏(せいた あきひろ)さんです。パレスチナ難民の健康と生活向上を目指して取り組む清田さんからの活動報告をお届けします。つづき・・・「1210.pdf」をダウンロード

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お知らせ

清流11月号の「カマタ流生きるヒント」では、その人の行動パターンとなりやすい病気について書いている。
人の行動パターンにはタイプA、タイプB、タイプCというのがあり、脳卒中や心筋梗塞が多いパターン、がんが多いパターンなどがある。
しかし、行動パターンは固定化されたものではないので、意識しだいでいつでも変えることができる。
自分の行動パターンが、ある病気になりやすいとしたら、それに対してどう軌道修正したらいいのか。
そんな話をしているので、興味のある方はぜひ。

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別の欄では、加藤登紀子さんと「3.11を忘れないため、わたしたちができること」と題して、特別対談している。

ぜひ、お読みください。

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10/2の「子どもたちに外遊びや保養を」に、追記をアップしました↓

http://kamata-minoru.cocolog-nifty.com/blog/2012/10/post-bb11.html

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2012年10月 4日 (木)

岩次郎小屋の昼ごはん

一人前のヤキソバに、庭でとれたピーマン、原村のカナディアンファームのハセヤンのところのレタス、ホクトの工場でつくられた放射能ゼロのキノコなど、野菜を3倍くらいたっぷり入れると、夫婦二人のお昼ご飯に、ちょうどいい量になる。
しかも、炭水化物を減らし、野菜がたっぷりとれる。
味付けは、B-1グランプリで優勝した岡山のひるぜんヤキソバのたれ。
赤ミソが少し入っている不思議なたれだ。

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魚はごまいわし。
長野市のすし栄というおすし屋さんのまぐろの角煮もある。
両方ともDHAやEPAがふくまれ、抗酸化力が高く、動脈硬化を予防したりする。
精神的なバランスも保ってくれる作用があるといわれている。
ごまいわしは、ごまのセサミンがたっぷり。
そういえば、岩次郎小屋ではごまを使うことが多く、そうめんなどにもたっぷり使う。

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この日はたまたまないが、小魚もたっぷりとるようにしている。
小魚を入れた野菜いためなどは、味もいい。

炭水化物を極力減らして、野菜や魚、ごま、しょうがなどをたっぷりとる。
これが鎌田流の健康法。

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マイコプラズマ肺炎に注意

今年もマイコプラズマ肺炎の広がりが心配だ。
長野県の発表をみると、1医療機関あたりのマイコプラズマ患者数は1.91と、徐々に増加傾向にある。
過去5年間の同時期と比べて、もっとも多い状態になった。

1209272__ 岩次郎小屋の木々

熱があまり高くなく、せきが長く続き、レントゲンをとると肺炎などの症状がみられる。
「治りにくいかぜ」ということで処理されやすい病気である。
一般に多い肺炎と違い、マイコプラズマ肺炎はふだん使わないテトラサイクリン系などの抗生物質の効果が期待できる。
急に涼しくなってきたが、今年の秋冬は、マイコプラズマ肺炎に注意したい。

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2012年10月 3日 (水)

お知らせ

今夜7時から、BSジャパンの「7PM」という番組に、コメンテーターとして生出演する。
テーマは、「寿命を延ばす健康な歯のつくり方」。
カマタが幸せな人生の最後について語る。
ぜひ、ご覧ください。

福島でドリームフェスティバルを無事おえた後、頭痛に悩まされている。
いろいろ調べた結果、大後頭神経の神経痛ということがわかり、その原因としておそらく疱疹がでないタイプの帯状疱疹ではないかと思われる。
抗ウイルス薬をのんでいるが、痛みの峠は越えたようだ。

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帽子をかぶり、マフラーをしていると、痛みが軽くなる。
いくら帽子好きのぼくでも、このカッコで今日のBSの番組と、明日のニュース・エブリィに出るのはちょっとためらわれる(笑)。

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原発事故511

京都大学が、福島と関東、西日本の53の家族の一日の食事に含まれる放射性セシウムを測定した調査では、福島では1日3食で4.01ベクレルであった。
これを毎日食べたとして、体内被曝する量は一年間に0.023ミリシーベルトという計算になる。

西日本の家族の食事には、セシウムはほとんど検出されなかった。
関東地方では、0.35ベクレルという結果になった。

1209042__ 八ヶ岳山麓の雲

しかし、わずかだから大丈夫と思わずに、できるだけ体内被曝をしないよう、余分なセシウムは体内に入れないように注意していくことが重要である。

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2012年10月 2日 (火)

原発事故510

福島第一原発から20キロ圏内の海域で採取したアイナメから、最大となる1キロあたり25800ベクレルの放射性セシウムが検出された。
こういうことがあるので、サンプル調査ではなく、あやしいものに関してはできるかぎり全品検査をすべきである。
知らない間にざるの目からすり抜けて、食べてしまうと大変なことになる。

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1209273__ 美空ひばりの「みだれ髪」でうたわれた塩谷岬の灯台。東日本大震災でこの灯台のある地区は数十人の犠牲者が出た。家はほとんど残っていない。

セシウム1万9000ベクレル/ボディの体内被曝があった人は、14万ベクレル以上の乾燥シイタケを食べていた。
べらぼうに高濃度の魚やシイタケがあることを忘れず、注意をする必要がある。

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子どもたちに外遊びや保養を(追記あり)

福島の子どもの外遊び支援ネットワークの主催で、10/14、猪苗代町で秋の「外遊びフェスティバル」がおこなわれる。
子どもたちが、思いっきり体を動かすプログラムをいっぱい用意した企画だ。
土遊び、木登り、木の実探検、秘密基地づくり、クライムウォール、もちつき、芋煮会もある。
ターザンロープなどで体を動かしてもらって、いい汗をかいてもらおうという作戦だ。

参加は、福島県在住の3歳から小学6年の親子200人まで。
無料。
お問い合わせは、0242-72-1181。
今年6月のプログラムは、すぐにいっぱいになったので、申し込みはお早めに。

1209271__ 岩次郎小屋のウッドデッキに生えるエゴノキ

飯館子どもを守る会でも、山形県内のペンション風の建物をかりて、飯館村の子どもたちが自由に利用できるようにしている。
ぼくは、子どもたちの命をまもるために、検診と放射能の見える化、保養が3本柱と主張してきたが、この活動は保養の考え方に近い。
チェルノブイリでは、1回23日間、安全な地域へ子どもたちを送り出す保養を続けてきた。
日本では、23日間続けて県外に出るのはむずかしいかもしれないが、夏休みや冬休み、連休、週末などを利用して、こま切れでもできるだけ、放射能の少ない地域で過ごすことが大事だと思っている。

                   ◇

子どもたちは自然のなかで、遊びまわりながら、成長していく。
こうした子どもたちを見守り、外遊びや保養をすすめる取り組みはとても大切だ。

Img_2292 子どもたちを守る活動をする佐藤健太君に、寄付金を託すカマタ

これらの取り組みがもっと広がることを願い、さだまさしさんと鎌田實、豊田スタジアムの3者で、子どもたちの外遊びを支援するアースデイ福島のNPOと、飯舘子どもを守る会に、それぞれ40万円ずつ寄付をした。
どちらの活動もかかわっている飯舘村の佐藤健太君に、そのお金を託した。

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2012年10月 1日 (月)

ドリームフェスティバルin福島

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170人の参加者とともに、福島の復興支援のため、ハワイアンズに行ってきた。
障害をもつ人、がんと闘う人、心の病を治療している人などたくさんの人が、福島でおいしいものを食べ、温泉に入ったりした。

ご主人に先立たれ、今年7月息子さんもがんで亡くなったという傷心のおばあゃんが来ていた。
何度も、何度も、泣いていた。
泣くことも大事なことだ。

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肺炎で退院したばかりの人も参加していた。
もともと重い脳卒中で、重度の障害や失語症があり、つい最近、胃がんの手術をしたという人もいた。
みんな、いろいろな状況のなかで「福島を応援したい」という思いをもっている。

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それに対して、地元のいわきの人たちも大歓迎。
おばさんたちがぼくらのツアーのために、焼きウニやマグロのカマ焼き、いとこ煮、すいとん、お芋、今年できた「きずな」というお酒まで、おふるまいをしてくれたのだ。
本当においしかった。

いわきで田舎料理のレストランで有名だったぷろばんす亭のお上さんらも、みんなで料理をつくってくれた。
みんな風評被害で、血のにじむような思いをしているようだ。

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ハワイアンズでは、震災前のお客さんの数にもどりつつあるが、福島全体ではまたまだ厳しい状況が続いている。
全国的に東北を応援しようという気運はあるが、観光客は青森や岩手に集まっているという。
宮城は、福島よりよくなっているが、まだ震災以前の状況にもどっていない。
被災が少ないために忘れられがちな秋田や山形に、観光に行くのも大事なように思う。

これからも東北を応援しつづけたい。

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原発事故509

ぼくが名誉理事長をしている平田村にある公益財団震災復興支援 放射能対策安全研究所では、子どもとお母さんの命を守るために、ホールボディカウンタと、ゲルマニウムの放射能測定器を使い、授乳中のお母さんの体内被曝と母乳の放射能測定に取り組み始めた。
今、郡山のいくつかの産婦人科の先生と協力しあい、できるだけ無料で、正確なセシウムの測定をはじめている。
今のところ、すべて検出限界以下であった。

1209045__ コスモスが咲く諏訪中央病院の庭

18歳以下の子どもに関しては、県外の子どもも検査している。
2台のホールボディカウンタが動いており、電話で予約ができる。
18歳以下の子どもは無料であるが、18歳以上の人には1件1万2000円。
福島県内の契約している地域の方に関しては、6000円である。

また、2台目のホールボディカウンタで4歳未満の子どもの体内被曝も測定できるようにしようと、ファントムをつくって機械の設定をしているところだ。来年2月の稼動を目標にしている。
ファントムをつくるには、あと850万円という費用がかかる。
その費用にあてるため、研究所では募金をお願いしている。
放射能から子どもたちの命を守ろうとする活動に、ぜひ、ご協力ください。

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