恐竜の翼
鳥の祖先は恐竜といわれている。
ぼくは、季刊「コトバ」で、「我々はどこから来たのか」という連載をしているが、人間は生まれる前に爬虫類の時代や鳥の時代があったと思っている。
ぼくたちの脳の視床下部は、恐竜の脳といわれ、食べたい、寝たい、戦いたいという本能に近い欲望を司っている。
最近、恐竜の翼について、気になる発表があった。
北海道大学の小林准教授とカナダ・カルガリー大学、米国フロリダ大学などの共同研究チームが科学誌「Science」に発表したものだ。
北米で発見された羽毛恐竜オルニトミムスの翼は、飛ぶためのものではなく、求愛や卵をあたためるためのものだという。
この恐竜は、植物を食べるので、獲物をとるために翼は必要ないという。
おもしろい考え方だ。
ぼくの家の庭にはキジがやってくるが、オスの翼のきれいさは求愛のためといわれている。
そして、子どもができた後は、自分の羽で気をひかせて、子どもやつがいのメスを守ろうとするためという説もある。
ペンギンやキウイバードなど、飛べない鳥もいる。
翼の目的は、飛ぶことだけじゃない。
オルニトミムスの翼は、繁殖行為のためにあるという説はおもしろいと思った。
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