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2012年12月11日 (火)

東北の縄文

八戸にある是川・中居遺跡はすごい。
ぼくは、季刊「コトバ」で「我々はどこから来たのか」という連載をしているが、ぼくたちのルーツを探る縄文の文化にふれるのはとてもうれしい。

3000年ほど前のものが多く、そのうるしの工芸には目をみはるものがある。
焼き物やかご、弓矢などにもうるしがぬられている。
しかも、芸術的だ。
黒いうるしが塗られた上に、赤が重ねられ、現代アートにも負けないくらい感性の鋭い作品がいっぱい残っている。

1211304___2 八戸の港

何から何までうるしがほどこされているのをみると、うるしを採取する仕事なにど、仕事が分業されていたのではないかと思う。
東北には、1万年前の旧石器時代の跡があるので、おそらく2万年前にカムチャツカ半島を下ってきた人たちが縄文文化をつくったのではないか、と学芸員から説明を受けた。

遮光土偶もすごい。サングラスのように見えるのは、デフォルメされた表現。
このデフォルメという手法が、感性の豊かを物語っているように思える。
3500年前の水差し口がある焼き物は、今の急須によく似ている。

Photo 縄文の祈りの声が聞こえてくるような、合掌土偶

国宝に指定されている合掌土偶はさらにすばらしい。
乳房と女性器がみられるので、おそらく女性。
仮面をかぶって、頭の後ろでとめている。
茅野市の縄文のヴィーナスより400年ほど新しいようであるが、茅野でも仮面土偶がでているので、同じように、お祭りとか、祈りの儀式に使われていたのではないか。
この合掌土偶は一段高いところに奉られるようにあったという。
狩猟の豊かさや自然の恵みを祈り、子どもが無事に生まれ育つことを祈っていたのかもしれない。

細工も芸術的。
縄文がこすられて、消されているところもある。
補修のあともあるという。
この時代にすでに土偶の補修をする技術があったことも驚きである。

合掌土偶をじっとみていると、縄文の声が聞こえてくるような気がする。
見ていて、あきない。

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