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2013年1月15日 (火)

キッズサポートかのん

昨年末、南相馬にできた発達障害や知的障害がある子どもたちの放課後デイサービスに行ってきた。
特定非営利活動法人キッズサポートかのんである。

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理事長は市役所の職員だった。
市役所の税務課で、精神的に疲れていたという。
震災後は、避難所の担当を任された。
命がけでやらなければと思ってやってきた。
おおむねひと段落したので、奥さんと2人で自分の夢をはじめた。
51歳で定年退職。
その退職金をかけて障害児の個別指導をする施設をつくった。
自分の家に障害児がいるというわけではない。
「とにかく、人の役に立ちたい」
志が高い。

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かのんでは、高機能発達障害などの子どもたちが、みんなで歌ったり、ゲームをしたりして楽しい時間を過ごしている。
グループではなく、個別に訓練をしながら、社会に出られるように可能性をのばしている。
とてもすばらしい取り組みだ。

実際に子どもたちとおしゃべりしたり、勉強したりする姿を見たが、実におもしろい。
みんな元気でユニークだ。

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14歳の男の子は「かのん新聞」の編集長をしていた。
大好きなパソコンで、きれいなレイアウトで新聞をつくっていた。
一人ひとりが生き生きしている。
なんだかうれしくなってしまった。

いま、きずなホルモンとも言われているオキシトシンの勉強をしているが、人間関係をつくるのが苦手な発達障害の子どもにオキシトシンスプレーを使うと、相手の表情を読みとったり、気持ちを推測したりすることができるようになるという報告がある。
そういう科学的なサポートも大切だが、かのんのように人間と人間とのサポートの両面が大切だ。

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発達障害は社会性の障害ともいわれ、子どもたちも、お母さんたちも疲れている。
キッズサポートかのんのような場があることで、どちらも救われているような気がした。
すばらしい施設だ。

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