人類の足跡
360万年前の地層から、足跡が見つかった。
猿人アウストラロピテクスボイセイのものだ。
アウストラロピテクスの足跡は、猿の足跡とはあきらかに違う。
猿は、木を昇るために、親指が第2指から第5指に直角に親指が開かれている。
この火山灰の地層から見つかった足跡は、あきらかに直立2足歩行をしている足跡である。
我々の祖先が、この谷間で同じ空気を吸っていたのだと思うと感慨深い。
足跡の主は3人。
大人2人と子ども1人の足跡が同じ方向に向かっている。
「3人は家族だと思うのだけど」とぼくが聞くと、「ほぼ間違いなく家族でしょう」と現地の研究者が答えた。
弱い猿人が、過酷な地球環境で生きていくためには、家族が必要だったのだと思う。
大きな足跡と、平行して歩く小さな足跡は、その子ども。
お父さんの後ろについてくるのが、お母さんの足跡。
赤土のぬかるんだ大地の上に、この3人が歩いた後、近くの火山が噴火したのではないだろうか。
火山の灰が、その足跡を固定してくれた。
このアフリカで生まれた我々の祖先は、出アフリカに成功して、地球上の隅々まで広がった。
「我々は、どこから来たのか」の原点に立ったような気がした。
ミッシング・リンク、失われた環-—ホモ・サピエンスと猿の境という謎を解くカギも、このアフリカの大地構帯からオルドオパイ峡谷にあるように思う。
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