鎌田劇場へようこそ!(128)
「ある海辺の詩人 -小さなヴェニスで-」
2012年イタリアアカデミー賞主演女優賞受賞、2011年ベネチア国際映画祭特別賞受賞。
美しい映画だ。
イタリアの小さな漁師町で淡い恋心が芽生える。
男は、旧ユーゴスラビアからイタリアへやってきた年老いた漁師。
女は、中国の漁師街から借金を返すために8歳の男の子を置いてイタリアに働きにきた母親。
男は仲間から、詩人といわれていた。
が、詩らしい詩はかいたことがない。
淡い思いがつのって、詩を彼女に贈る。
川はすべて海へ降りてゆく
満たせぬままに吹く風は冷たくも
心を温め
小さな花のようにあなたをほほえます
まるで初恋をしている若者のようだ。
隙間がいっぱいあり、見る人が勝手に想像できるような映画である。
俳優たちがいきいきしている。
風景が美しい。
ぐっとくる映画だ。
以下、ちょっとネタバレ
しかし、2人に別れがやってくる。
映画はまるで詩の途中で終わるように、答えがでないまま終わっていく。
彼女の借金がだれかによって返済される。
最後までだれが返済したのかわからない。
風景が詩のようで、出てくる俳優が詩のよう。
久々におしゃれな映画をみた。
3月上旬、シネスイッチ銀座で公開。
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