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2013年2月12日 (火)

鎌田劇場へようこそ!(128)

「ある海辺の詩人 -小さなヴェニスで-」

2012年イタリアアカデミー賞主演女優賞受賞、2011年ベネチア国際映画祭特別賞受賞。

美しい映画だ。

イタリアの小さな漁師町で淡い恋心が芽生える。
男は、旧ユーゴスラビアからイタリアへやってきた年老いた漁師。
女は、中国の漁師街から借金を返すために8歳の男の子を置いてイタリアに働きにきた母親。

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男は仲間から、詩人といわれていた。
が、詩らしい詩はかいたことがない。
淡い思いがつのって、詩を彼女に贈る。

川はすべて海へ降りてゆく
満たせぬままに吹く風は冷たくも
心を温め
小さな花のようにあなたをほほえます

まるで初恋をしている若者のようだ。

隙間がいっぱいあり、見る人が勝手に想像できるような映画である。
俳優たちがいきいきしている。
風景が美しい。
ぐっとくる映画だ。

以下、ちょっとネタバレ

しかし、2人に別れがやってくる。
映画はまるで詩の途中で終わるように、答えがでないまま終わっていく。

彼女の借金がだれかによって返済される。
最後までだれが返済したのかわからない。

風景が詩のようで、出てくる俳優が詩のよう。
久々におしゃれな映画をみた。

3月上旬、シネスイッチ銀座で公開。

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