« キリマンジャロの雪 | トップページ | 鎌田實の一日一冊(160) »

2013年2月 2日 (土)

鎌田實の一日一冊(159)

「大介護時代を生きる」(樋口恵子著、中央法規出版、1680円)

おもしろい本だ。
スウェーデンやフィンランドの話が前半に書かれ、後半は樋口恵子理論がフル回転する。

スウェーデンのお葬式が一ヶ月近く待たされるのは、なぜか。
生きている人を最優先させるためだというから驚きだ。
介護していた人たちの日常のプログラムを壊さないように、葬儀が行われるという。

Photo

「親族」のとらえ方が、柔らかで魅力的。
近所の人や友だちが納得してくれれば、親族の代わりに介護休暇を取って、介護をすることができる。
こんな対応が日本にもあったら、ずいぶん救われた人が多かったなと、今まで看取った人のことを思い出した。
家族とうまくいかず、一人で死んでいった人がいた。
友だちや近所の人が全て面倒をみていた。
あのときに、友だちや近所の人を広い意味の親族と認めて、介護休暇がとれれば、もっといい時間をすごすことができたのではないかと思った。

さすがに樋口恵子。
おもしろいことに気づかせてくれる。

|

« キリマンジャロの雪 | トップページ | 鎌田實の一日一冊(160) »

書籍・雑誌」カテゴリの記事