原発事故532
ひらた中央病院の公益財団法人震災復興支援放射能対策研究所では、3万8000件の体内被爆の検査を行ってきた。
昨年5月から、15歳以下の子どもに関しては、測定限界(ND)以上の数値を示した例は一例もない。
つまり、子どもに関しては体内被曝はほぼゼロになってきている。
体内被曝をする大人たちの多くは高齢者で、何度注意されても、イノシシを捕り、危険だといわれながら食べたケースなどが目立つ。
最近では、1キロ当たりセシウムを測定すると、イワナが124ベクレル、ヤマメが159ベクレル、ニジマスが691ベクレルという結果が出ており、川魚が汚れていることがわかる。
福島県各地のイノシシの肉は833ベクレルなど、かなり高濃度に汚染されている。
イノシシ、山菜、川魚は必ず放射能測定をしてから食べることを鉄則にしないといけない。
スーパーで買ったものを食べた人で、体内被爆をした人は出てきていない。
除染作業員に対しては、ルールとして定期的に放射能測定をすることになっているが、この研究所では今のところ発見されていない。
妊婦さんや、母乳の乳汁を検査も無料で行っているが、これも今のところすべてND以下である。
福島県では、今年3月までに15万人、来年3月までに36万人の子どもたちの甲状腺検診を終わらせる予定である。
しかし、県ははっきりと発表していないが、進行状況は遅れているようである。
チェルノブイリでは、事故後4年後から小児甲状腺がんが多発した。
これは、4年経たないと小児甲状腺がんにならないということではない。
それ以前から、出てきている異変を早く発見するためにも、甲状腺検診はスピードアップしないといけない。
福島県の検討委員会の判断は甘いとしかいいようがない。
現在3万6000人の検査が終了し、この段階で3人に小児甲状腺がんが発生しているということは、発生率は1万人に一人に近い。
この発生率はチェルノブイリの汚染地域とほとんど同じである。
さらに7人の疑いある子どもがいる。
全国の甲状腺の専門医の協力を得て、できるだけ早く検査を行う必要がある。
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