市川團十郎的生き方
2月3日、市川團十郎さんが亡くなられた。
團十郎さんとは昨年、対談した。
急性前骨髄球性白血病と診断され、再発を2回くり返した。
その間に、骨髄異形成症候群になっている。
大変なピンチを何度も何度も乗り越えた。
いつも芝居のことを考えていたので、闘病中もイライラしなかったという。
治療のときには無間地獄のように苦しかったが、次の芝居のことを考えて乗り切った。
芝居が、命の支えだったのだ。
全国骨髄バンク推進連絡協議会の会長もひきうけていた。
白血病の患者さんたちに勇気を与えていた。
芝居に招待したり、楽屋に呼びいれたり、きめ細かなサポートをしていた。
なんでそこまでできるのですか、とたずねると、
「おまけのような命です。だからこそ、だれかのため、何かのためにいきたい」
鋭い目で話してくれた。
市川團十郎的生き方を、最後の最後まで演じ続けていた人生。
すごい人だったと思う。
残念だ。
ご冥福を心からお祈りいたします。
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