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2013年2月 1日 (金)

キリマンジャロの雪

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メリー山の向こうにうっすらと見えるキリマンジャロ

キリマンジャロの雪が見えた。
ヘミングウェイが自らの老いを感じながら、キリマンジャロの雪に託した小説を思い出した。

「その西の頂は、マサイ語で「ヌガイエ・ヌガイ(神の家)と呼ばれ、その西の山頂のすぐそばには、ひからびて凍り付いた一頭の豹の屍が横たわっている。そんな高いところまで、その豹が何を求めてきたのか、今まで誰も説明した者はいない」(角川文庫)

豹も、ホモ・サピエンスも、時々訳の分からないことをする。
生き物は常に、不合理的存在である。
アフリカを旅しながら、ぼくはそんな風に吹かれてきた。
不合理で、無駄で、無意味で、よいのだと思った。
豹は、仲間の豹と違って誰よりも高く登りたかったのではないだろうか。
ホモ・サピエンスも、随分、無駄なことをしてきた。
我々の祖先は、無駄で、無意味で、ちょっとおもしろいことにこだわって、出アフリカを試みたのではないか。
旅をしながら、ぼくはそう感じはじめている。

Photo_11 夕日に当たるキリマンジャロ

さだまさしの「風に立つライオン」には、こんな歌詞がある。

「ビクトリア湖の朝焼け 100万羽のフラミンゴが一斉に飛び発つ時、暗くなる空やキリマンジャロの白い雪・・・」

「『風に立つライオン』が好きだ」とさだまさしに言ったら、「八ヶ岳に立つ野うさぎ」を作ってくれた。
でも、やっぱり「風に立つライオン」がいい。

キリマンジャロに夕日が当たった。
ビバ!アフリカ!

                ◇

長いアフリカ旅行も、これで終わり。
タンザニアからドーハへ行き、そこから飛行機を乗り換えて、ドイツのフランクフルトへ。
さらに、乗り換えて真冬の日本へ戻ってきた。

アフリカで体験したことは、今年の末か、来年の初めには本になると思う。
テーマは、「我々はどこから来たのか、どこへいくのか」。
めちゃくちゃ面白い本になると思う。
期待してください。

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