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2013年3月

2013年3月31日 (日)

子どもたちの保養に支援を

湯川れい子さんらが中心になって活動している「ふくしまキッズ実行委員会」は、春休みのこの時期、全国各地で、福島の子どもたちの保養活動を行っている。

2013年春プログラムは3/23から、北海道大沼、夕張、飛騨高山、京都、兵庫、長崎、熊本でスタートした。
とてもいいことだ。
しかし、このプログラムの活動資金に3000万円が必要だが、まだそれに届かないようだ。

湯川さんの馬力にはいつも感心。
8年前、JIM-NETでチョコ募金をはじめたときも大々的に応援していただいた。
いい活動に対して、影のように裏方から応援してくれる。

会の活動については、こちら↓のHPをご覧ください。

http://fukushima-kids.org/

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映画

このブログでも紹介した映画「ある海辺の詩人-小さなヴェニスで」http://kamata-minoru.cocolog-nifty.com/blog/2013/02/128-3b4f.htmlがシネスイッチ銀座などで上映されている。
各国の映画祭で最も美しいイタリア映画と評価された。

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新聞に載ったぼくのコメント--
「俳優のもっている空気、交わされる会話、流れてくる音楽、海の風景、すべてが美しい『詩』になっている。久々にしびれた」

言葉が美しいのであるが、言葉を超えた心の動きが見事に描かれている。
一人ひとりの人間が風景がとけこんでいる。
小さな港町で生きている人たちの息遣いが聞こえてくる映画だ。

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2013年3月30日 (土)

大阪のうまいものと新しい本

大阪でうわさの、「はなくじら」というおでん屋に行ってきた。
屋台ではないが、屋台みたいにオープンなお店だ。

うわさにたがわず、めちゃくちゃうまい。
ねぎ袋というのを注文した。
あげのなかに、ねぎとしょうががぱんぱんにつまっている。
これが絶品。

かきもうまかった。
春菊を頼むと、春菊の柄にすった長芋がのっている。
それに、ちょっとゆずの皮が香る。
おでんの汁とあわせると、とろろ汁をのんでいるようだ。

水菜を注文すると、くじらのベーコンにまかれた水菜が出てきた。
くじらの塩気と淡白な水菜がとても合う。
魚のすり身をあげたものも、卵も、じゃがいももうまかった。

1303182__ うわさのおでん屋はやっぱりうまかった

値段は安いが心配りがいきとどいている。
やっぱり大阪はすごい。
おなかいっぱい食べて、2人分で3300円。

まちを歩いていたら、お好み焼き屋の名店「きじ」のおやじさんに会い、おでん屋の後、やきそばを食べにいった。
わからないけれど、少しカレー粉が入っているような気がする。
これがまた、うまい。

                    □

大阪に行ったのは、大平光代さんと「くらべない生き方」という本をつくるためだ。
大平光代さんは、いま関西に住んでいる。
ダウン症のはるかちゃんを育てるために、田舎で暮らしている。

以前、彼女の家に招待されたことがある。
丁寧に手をかけた料理でもてなしてくれた。
はるかちゃんのためにいすやつくえ、絵本をつくり、きちんと生活をつくりあげている。
人間は生き直すことができるという、お手本のような女性だ。

新しい本は、大平さんの「くらべない生き方」に新しい対談を加えて出版する。
「比べない」「許す」「伝える」「無理をしない」「くりかえす」「つくりあげる」「泣いてみる」「さらけだす」「よりかかる」「つないでいく」などをキーワードに、困難な時代を生き抜くヒントを探している。

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2013年3月29日 (金)

卒業生の言葉

諏訪中央病院看護専門学校の卒業生たちから、大切な言葉をもらった。

「超多忙な鎌田先生の授業を受けられたことは、私の誇りです。それ以上に、授業で教えていただいた哲学について考えることができました。哲学のあるナースになれたらなと思っております」

「私の知らない話をしていただき、鎌田先生のおかげでがんばれました。ありがとう」

「鎌田先生がテストに書いてくれたメッセージ、一人暮らしの部屋にこれからも飾っておきます。先生ありがとう」

ぼくはテストの答案に、点数だけでなく、一人ひとりへのメッセージを筆で書き添えている。
だから、テストの採点は、一人ひとりの顔を思い浮かべながら書くのでとても大変だ。

1303212__ 雪がとけ、春めいてきた諏訪中央病院の庭

「先生の考え方は、とても勉強になります。“人生は波”という言葉は胸に強く残っています。つらいときも波と思って乗り越えたいです」

「3年間ありがとうございました。鎌田先生の授業はとても心にのこる言葉の数々で、今でも心にのこっています。また国家試験前には激励に来てくださりありがとうございました。ますますやる気がでました」

「私は鎌田先生の本を読み、この学校に入りました。あこがれの看護を、あこがれの学校で学べた私は幸せものです」

「文化祭のときには大変お世話になりました。ありがとうございました」

文化祭のときには、いつもバザーに品物を出して応援している。
バザーの売り上げはここ数年、ぼくたちのNPOを通して、東北の子どもの支援に使われるようになった。こちらこそ学生たちにお礼を言いたい。

この学年は「勇気」についてこだわって授業をしてきた。
毎年「人を支えること」とか、「生きるとは」とか、ぼくなりに毎年、モデルチェンジをしながら全力投球で看護哲学を教えている。
哲学のある看護師になってもらいたいと思うと同時に、どんな人生にも負けない人間になってもらいたいと思う。
すぐれた技術とあたたかな心をもち、人生の途中で燃え尽きたりしないでほしい。

看護師人生のいいスタートになることを祈っている。

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2013年3月28日 (木)

アラブ・チャリティー・バザー

ヨルダン大使夫人のシーハさんとは劇的な出会いだった。
9年前、アンマンで日本語とアラビア語の通訳を探していたところ、日本大使館から紹介されたのがシーハさんだった。
それから、本当にいい友だちになった。
その女性がまさか、日本駐留のヨルダン大使夫人になるとは。

シーハさんが、アラブの国の大使夫人をヨルダン大使館に招き、ランチカンファランスを開いた。
アラブ料理をいただきながら、ぼくは1時間ほど、ぼくたちが行っているイラクの医療支援やパレスチナとの関係などについて話させてもらった。
偶然、イラク大使夫人も来られており、感動してくださった。

1303183__

1303184__ イラク大使夫人と鎌田

また、駐日アラブ大使夫人の会が主催してチャリティー・バザーを開き、福島の子どもたちのために寄付したいという申し入れがあった。
バザーの収益は、ぼくが名誉理事長をつとめ、子どもたちの体内被曝検査などに力を入れている公益法人を敷設するひらた中央病院や、南相馬市にある発達障害の子どもたちの個別指導をしているきっずサポートかのんなどにも寄付される。

第15回 アラブ・チャリティー・バザー

日時:4月14日 11時~17時
主催:駐日アラブ大使夫人の会
場所:アークカラヤン広場(サントリーホール前)

http://www.suntory.co.jp/suntoryhall/map/
チケット:¥1000

Photo ←クリックすると拡大します

アラブ各国の雑貨やフードなど、たのしいブースがいっぱい!
JIM-NET、JCF(日本チェルノブイリ連帯基金)も出店する。

チケット申込み・問合せ:03-6228-0746/info-jim@jim-net.net <info-jim@j im-net.net>

アラブの国々と日本との関係がさらに親密になることを願っている。
お互いを理解しあい、協力しあうことで、世界に平和を広げたい。
ぜひ、バザーにお出かけください。

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2013年3月27日 (水)

鎌田劇場へようこそ!(134)

海と大陸

イタリアの小さな島リノーサで、漁業を営むおじいちゃんと孫の物語。
おじいちゃん役のミンモ・クティッキョは、いい空気を出している。

アフリカから難民が多くなり、ヨーロッパ諸国は経済的事情で難民を受け入れられなくなってきていた。
命がけで海を渡ってくる難民たちを、おぼれてでも助けないようにしたい役人たちに対して、おじいちゃんは、おぼれている人を助けないわけにいけないと、幼児をつれた妊婦を助ける。
警察に届ければ、アフリカへ強制送還されてしまう。
葛藤しながらも、何とか命を守ろうとする。
そして、警察の目をかいくぐり親子をヨーロッパ大陸へ送り届けようとする。

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息子は海で死んだ。
その嫁は島から出たいと思っている。
孫は、おじいちゃんを尊敬し、立派な漁師になりたいと思っている。

青い海がきれい。
その海に浮かぶいかだには、難民がこぼれるほど乗っている。
その一方、避暑客たちが歌い、踊り、バカンスを楽しむ船もある。
どちらの船にも、あふれるほどの人を乗せているが、状況は対照的だ。
映像で、格差をみせているのがうまい。

助けられた妊婦はエチオピア出身。
リビアまで出て、いかだで地中海をわたり、ヨーロッパ大陸に行こうとしていた。

大陸の間をはばむ海。
ときに海は、拒絶し、人の命を奪う。
かと思うと、何ごともなかったように、すべての人を受け入れる。
拒絶と寛容さが混在している。

4/6から岩波ホールでロードショー公開。
ぜひ、ご覧ください。

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2013年3月26日 (火)

お知らせ

「いのちの音の祭り in 茅野」が開催される。
出演は、奄美大島の唄者、朝崎郁恵さん。

「いのちの音の祭り in 茅野」
まるで海、まるで鼓動。いのちに染み入るふるさとの音、愛の歌、喜びの踊り。

日時 2013年3月31日 開場13.00 開演 14.00
会場 茅野市民館 マルチホール

詳しくはこちらまで↓

http://www.chinoshiminkan.jp/ccc/2013/0331/index.htm
 
実行委員会「命の架け橋」は、茅野市、諏訪市を中心に活動する医師、看護師、助産師などの集まりで、命を考える集団。
この「命の架け橋」のおかげで、南三陸の「ひなたぼっこ」という地域包括支援センターにご寄付をいただいた。

ぜひ、ご参加ください。

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2013年3月25日 (月)

鎌田實の一日一冊(171)

「幸福な田舎のつくりかた」(金丸弘美著、学芸出版社、1890円)

副題は、「地域の誇りが人をつなぎ、小さな経済を動かす」。
持続可能な町づくりのおもしろいヒントがいっぱいある。

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一つの直売所に、信じられないような大人数のお客さんが集まるなど、各地の取り組みを紹介。
地域の価値を創造することの大切さがわかる。

顔をあげて、胸をはって、大きな声でメッセージを出し続けることである。
成熟社会のつくり方のヒントがここ書かれている。

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2013年3月24日 (日)

鎌田實の一日一冊(170)

「あたまにつまった石ころが」(キャロル・オーティス・ハート著、ジェイムス・スティーブンソン絵、光村教育図書、1470円)

「日曜はがんばらない」(文化放送)にゲスト出演してくれた落合恵子さんが、この絵本を紹介してくれた。
実に感動的である。

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石が大好きなガソリンスタンドのオヤジさん。
不景気でスタンドがつぶれた。
それでも、彼はいつも石に夢中。
博物館に何度も通い、一日中、石を見ている。
それをみた博物館の館長から、夜警の仕事をもらった。
独学で石の勉強をはじめ、熱心に勉強しているうち、専門家の分類が間違っていることに気がつく。
やがて、彼は、博物館の鉱物学部長になる。
さらに、その後、大学に通い、とうとう博物館長になった。

学ぶということが、どんなに大切かわかる本である。
とてもすてきな絵本。

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2013年3月23日 (土)

お知らせ

24日の「日曜はがんばらない」(午前10時~、文化放送)は、第50回。

ゲストは室町時代に創建され500年の歴史をもつ奈良の浄土真宗の寺の住職、三浦明利(あかり)さん。
親鸞聖人は民衆が楽しく口ずさめる「わさん」というものを500曲もつくった。
シンガーソングライターでもある三浦さんは親鸞聖人の言葉を使いながら、歌にしている。

P3072444 ゲストの三浦明利さんを囲む村上信夫さんとカマタ

『私、住職になりました』という本を出した。
その本によると、住職だった父親が好きな人ができ、突然、お寺をやめてしまった。
三浦さんは、大学を休学し、アルバムデビューをして、これからというときに、音楽活動一時休止。
住職を引き継ぐことになった。

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このお父さんの出来事は、家族にとっては大変だったと思う。
しかし、なんとも魅力的。
これが人間だと思う。

ぜひ、おき聞きください。
PCからも聞くことができます。http://www.joqr.co.jp/kamata/

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2013年3月22日 (金)

八ヶ岳山麓映像日記 特別編

鎌田實が八ヶ岳山麓の自宅“岩次郎小屋”からお届けする「八ヶ岳山麓映像日記」の特別編。
評論した映画の紹介、アフリカ旅情など、徒然に語ります。
著書「幸せな仕事」から一篇のエッセイを朗読。

2013年4月より毎週木曜更新予定。今回は、練習をかねて、特別編です。
暖炉の音が大きくて、少し聞きづらくなってしまいました。ごめんなさい。
今後、だんだんと良くしていきます。ご期待ください!

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自殺対策

自殺対策に取り組むNPO法人ライフリンクを、「ニュース・エブリィ」(日本テレビ)で取り上げた。
年間の自殺者数は、15年ぶりに3万人を割って、約2万7700人となった。

ライフリンクによると、自殺の原因は一つでなく、複合的である。
たとえば、職を失ったという問題と同時に、心の病気にかかり、家族ともうまくいっていないという3つの問題を抱えていたりする。

こうした問題を解決するには、多面的な支援が必要で、従来の市町村の窓口だけでは対応しにくいのが現状だ。

Dsc00258

国が補助金を出してすすめている「よりそいネットワーク」は、24時間対応のワンストップ電話相談の事業だ。
相談者が抱えている複合的な問題を、できるだけワンストップで対応しようとしている。
ぼくはこの機能評価委員をしている。
1日4万件のアクセスがある日もある。

仕事がなく、食べる物すらないというというときには、すぐに食べるものを供給してくれるNPOに連絡をとって、とりあえずこの1週間の食べ物を送るなどして緊急事態に対応しながら、今後、生活環境をどう整えていくかなど相談にのっていく必要がある。

ライフリンクのデータでは、自殺者の多くは、何度も自殺を試みているという。
これは重要なことだ。
自殺を試みて、病院に救急搬送されたとき、救急外来では命を救う処置はできるが、自殺の原因には対応しにくい。
そんなとき、病院のケースワーカーらが相談窓口やよりそいネットワークなどにつなげていくことが、次の自殺予防にとって大事なことになる。

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2013年3月21日 (木)

続けることの大切さ

3月2~4日と9~11日に被災地を訪ねた。

岩手県大槌町では、広い範囲が根こそぎ津波で流された。
いまも一軒の家もない。
そこで、喪服の女性が、家の土台らしきコンクリートをはいていた。
車で行き過ぎたが、どうしても気になり、車を引き返してもらって声をかけた。

この女性の実家だのこと。魚屋さんをしていた。
この家で5人が行方不明、一人も見つかっていない。
「せめて遺体だけでも見つけてあげたい。不憫で、不憫で」と語ってくれた。

この人の嫁いだ家も流されて、今は仮設住宅で暮らしている。
隣の生活音が聞こえ、気を使いながらの暮らしが続いている。

もう60歳をすぎたので「新築する力もない。子どもにも迷惑もかけたくない」。
公営住宅ができたら、移りたいという。

2年間は早かったですか、遅かったですかと聞くと、女性はこうこたえた。
「時間は止まったまま」

みんな疲れている。
苦しんでいる。
未来が見えない人たちがいる。

1303185__ 震災から2年後も、崩壊したままの倉庫。寒さにふるえあがる

10日は朝10時から夕方4時まで、NHKで大槌町の避難所から放送したが、11日の日本テレビの放送は、相馬市にある津波で崩壊した倉庫から放送した。
ものすごく寒い日で、ふるえがきてしゃべれないほどだった。

2年前、被災者たちもこういう寒さのなかで生き抜いてきたのだとあらためて思った。
できるだけこれからも東北に通い続け、支援し続けていこうと思う。
応援よろしくお願いします。

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2013年3月20日 (水)

久しぶりのスキー

ずっとスキーに行けなかったが、久しぶりに白樺湖のスキー場に行った。
このところあたたかく、雨が降ったりして、雪質が心配だったが、前夜、雨から雪になり、引き締まったいい雪で、思う存分滑ることができた。

1303153__

自分でいうのもなんだが、スキーがちょっとうまくなったようだ。
板のカービングを操作する体感を、うまくつかんだような気がする。

急斜面をスピードを飛ばして滑り降りると、自分が風になったような気になる。
これが楽しくて、ついつい飛ばしてしまう。
今シーズンは、骨折後ということで恐々はじめたが、滑り出すと勢いが止まらない。

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リフトの影も春めいてきた。
空も真っ青。

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2013年3月19日 (火)

鎌田實の一日一冊(169)

「がんばれ!『ガクちゃん』先生-脳性まひの現役中学校教師の奮戦記」(関原美和子著、小学館)

三戸学先生は、脳性まひで身体障害者一種一級。
「どんなときでも笑顔」と言っているうちに、生徒からあだ名をつけられた。
スマイリー・サンノヘ。

人間にはいろんな人がいるということを、子ども時代にわかることは大事だ。
諏訪中央病院看護専門学校の哲学の授業に、毎年、脳性まひの風ちゃんがやってくるが、本当に頭のいい人で、すばらしい授業をしてくれる。

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おそらく三戸先生もわかりやすい指導をしてくれるのだと思う。
教科は数学。
コンパスで円がうまくかけなくても、生徒たちに板書を手伝ってもらいながら、教えている。
きっと数学の得意じゃない生徒も、ついていけるのではないか。

こういう先生を採用するという秋田県の教育委員会は前向きなのかもしれない。
その姿勢は、全体として子どもたちの学力を伸展させている可能性が高いと思う。

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体験を伝える

南三陸から「津波体験 未来への遺言」という文集が届けられた。
先人たちが明治や昭和の津波体験を伝えてきたように、自分たちも悲惨な体験を活字で伝えようと勇気をふりしぼった。
大事なことである。

ある補助財団が、岩手や宮城、福島のここまで津波がやってきたという地点に桜を植える運動をはじめている。
その桜並木は、大きな地震が来たときにはもっと高いところに逃げなければ、という一つの目安になる。

Photo 3月2~4日と9~11日に被災地を訪ねた際、5歳の男の子と女の子からかわいい手紙をもらった。繰り返し通い続けることの大切さを実感している。

すばらしい歌津をつくる協議会の機関紙「一燈」によると、ワカメ収穫がはじまったそうだ。
昨年はワカメのものもよく、値段も高く、元気が出て、町中わきあがった。
今年も期待していたが、昨年より生育が悪く、値段も30%安い。
ワカメの出来は、栄養豊富な河川からの水が流れ込むかどうかが勝負。
これから雪がとけ、栄養豊かな河川の水がワカメにいきわたれば、ワカメはぐんぐん育つ。

とれたてのワカメをシャブシャブにして食べると本当にうまい。
漁師さんたちが元気になるといいな。

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2013年3月18日 (月)

イラク戦争10年

この国はイラク戦争にかかわりながら、イラク戦争が自分たちにとってどんな戦争であったのか検証していない。

非人道兵器のクラスター爆弾や劣化ウラン弾が使われた。
劣化ウラン弾は、確証は出ていないが、小児がんや白血病を増やしている可能性がある。

当時のブッシュ大統領は大量破壊兵器や核兵器が隠されているといって、開戦に踏み切った。
フセインが書簡を3回、アメリカ側に送り、査察の要求をしているにもかかわらず、書簡を受け取ることを拒否し、戦争に踏み切った。

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その結果、アメリカ側だけでも4000人の若者が命を落とした。
多くの若者が心に傷を負って帰国した。

軍需産業は、法外な儲けを出した。
占領政策の民営化を行い、チェイニーらブッシュをとりまく政治家たちが大儲けをしている。

武力、戦争では、問題は解決できない。
戦争で問題を解決しようするのは、もう止めるべきだ。

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原発事故537

今まで原木シイタケや乾燥シイタケで、異常に高い放射線量が検出されてきた。
1キログラム当たり14万ベクレルのシイタケ、途方もない数字である。

1303181__ 今朝の午前6時ごろの大阪の風景

今度は、南相馬で捕獲されたイノシシから、5万6000ベクレルのセシウムが検出された。
いわき市で捕れたイノシシも3万3000ベクレルが検出されている。
イノシシに関しては、かなり慎重にならなければいけない。

キノコも必ず測定して食べること。
もうだいじょうぶと思わずに、放射能の見える化を徹底することである。

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2013年3月17日 (日)

カメラと写真のパッチワーク

いつもパッチワークの作品をくれる遠藤由美さんから、また作品をいただいた。
先日のほろ酔い勉強会の日に届けてくれた。

ぼくのカメラ好きに合わせて、カメラや、そのカメラで撮った写真がいくつもパッチワークされている。

1303154___2 パッチワーク作品をプレゼントしてくれた遠藤由美さんと

ぼくの似顔絵をパッチワークした手帳カバーをつくってくれたことがある。
ぼくはそれを気に入り、もう2年間、肌身は出さず持ち歩いている。
これがないと、ぼくのスケジュールは滞ってしまう。
トートバッグもつくってもらい、パレスチナに持っていった。

パッチワークのにこにこ鎌田顔をみて、みんな「似ている」と笑う。
税関でも、一度、荷物を開けられたとき、この手帳をみた係員が笑って、雰囲気がなごやかになったこともあった。

今回も力作です。
ありがとう。

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2013年3月16日 (土)

鎌田流・健康レシピ⑮~長野県のヒミツ(下)

前回、長野が男女ともに平均寿命が1位になった話を書いた。
長野県は、がんの年齢調整死亡率もダントツに低い。
下の棒グラフをみてください。

Photo_2 がんの75歳未満、年齢調整死亡率(クリックすると拡大します)

理由はなんだろう。
長野県は、野菜を日本一食べている。
これによって繊維がたっぷりとれる。
抗酸化力のある色素をとることは、フリーラジカルが暴れないようにするために意味がある。
発酵食品つまり、みそやしょうゆ、納豆、チーズ、ヨーグルトなど免疫に関係するような食品の摂取量も多い。

また、長野県は就業率が高く、高齢になっても体を動かし続けている。
これも健康寿命を延ばし、医療費の安い健康県になった一因と考えられる。

長野は信州保健医療総合計画をつくる。
ぼくも委員としてその手伝いをしてきた。
保健医療制度計画、健康増進計画、医療費適正化計画、がん対策計画、歯科保健計画、自殺対策、感染症対策。
この7つを一体化した計画は、他県ではあまり見られない。
長野県知事は健康長寿日本一から世界一をめざすといっている。

健康長寿の世界的なデータは見つけにくいが、データが出揃えば、もしかしたらすでに長野県は世界一かもしれない。

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2013年3月15日 (金)

鎌田流・健康レシピ⑭~長野県のヒミツ(上)

2010年度の都道府県別平均寿命では、男性、女性ともに長野が1位になった。
75年から女性の一位はずっと沖縄であったが、その沖縄が3位になり、長野が1位になった。
長寿の大切な指標に、健康寿命というのがある。
日常生活動作が自立している期間の平均のことだ。
これも、長野は男女ともに1位だった。
さらには昨年発表された年齢調整死亡率でも、長野は最も低い結果となっている。
今回の発表もあわせ、長野は健康長寿の三冠王に輝いたことになる。

長寿王国といわれた沖縄が、男性が1位から26位に脱落したのは2000年のことだ。
26ショックという。
その沖縄の男性は今回30位まで、じりじりと下げている。
長野がトップに躍り出て、沖縄が下がっていく要因はなんだろう。

1302263__ 雪に覆われた諏訪中央病院

一つは野菜の摂取率があると思う。
長野県は冬が長く、11月から3月くらいまでは露地での栽培はできない。
沖縄は一年中、野菜が採れる。
ハンデをかかえた長野だが、野菜の摂取量は日本一だ。

青森は、平均寿命が全国最下位の47位だった。
この原因は塩分の多さが関係していると思う。

長野でもかつて塩分の多い食習慣があったが、減塩運動をおこなった結果、一日14グラム、いいときには12グラムくらいまでに減らすことができた。
しかし、関西に比べれば多いほうだ。
これが東日本のがんや脳卒中を多くしている原因にもなっている。

長野のいいところは、海がないのに、魚の摂取量がほどほどに多いことだ。
海藻を食べる食文化もある。
きのこの摂取量も多い。
えごまや胡桃などのオメガ3の油が入った食べ物も食べている。

マイナス12度になる諏訪地域や大雪に覆われる北信など、生きる環境としては決して恵まれていないが、そのなかで健康にいい食文化が根付くとともに、保健師や保健補導員たち医学的な健康情報の普及活動が、平均寿命日本一を支えてきた。

5月になると、諏訪中央病院に新しい研修医が入ってくる。
そこで鎌田塾を開き、地域を支えてきた保健補導員や食改さんたちと交流してもらうのは、若い医師たちにとっても大きな意味がある。

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2013年3月14日 (木)

同級生ってありがたい

小学校の同級生が富山で、アハメドくんの絵本を広めてくれている。
「鎌田實著『アハメドくんのいのちのリレー』を広める会」能登支部長という、だれも認めていない会(笑)ですが、そう自称している。

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地球上のすべての子どもたちが戦争の犠牲になってはいけないと考えて、「ごんぎつね」や「よだかの星」のように、子どもたちに根付いたらいいなと思って応援してくれているそうだ。
同級生というのはありがたい。

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鎌田實の一日一冊(168)

「低線量汚染地域からの報告-チェルノブイリ26年後の健康被害」(馬場朝子、山内太郎著、NHKE出版、1470円)

原子炉から140キロの町、ウクライナ共和国ジトミール州ホロステンのほとんどは、年間積算放射線量が0.5~1ミリシーベルトか、1~5ミリシーベルト。
毎時0.1マイクロシーベルトが多く、高いところでは0.2マイクロシーベルトである。

この地域で慢性疾患をもっている人が78%いる。
ウクライナのドクターたちは、小児甲状腺がん以外に、血管性の病気が多いと報告しているが、IAEAやWHOは認めていない。
放射線をフリーラジカルの一種と考えれば、当然、動脈効果は起きやすくなる。
ウクライナのドクターたちが危惧していることが起きていても不思議ではない。

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この本のなかで、ミトコンドリアの研究をしているドクターが、低線量被爆によって細胞のなかのミトコンドリアが影響を受けると指摘している。
ミトコンドリアは細胞全体のエネルギーを生み出す役割をしているが、細胞の老化ともかかわりが深い。
ミトコンドリアが影響を受ければ、細胞全体の老化を早める可能性はある。

この本では確定的なことは何もいえない。
低線量被爆を根拠なくだいじょうぶということはいえないことは確かである。
わからないことは疑っておくことが必要だ。

だから、今の状況では、検診と保養、放射能の見える化をしっかりすすめるべきだ。

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2013年3月13日 (水)

お知らせ

「毎日が発見」3月号の鎌田實の健康力アップ研究所の第二回は、「共感力」について、進化心理学の長谷川眞理子さんと対談した。

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人間の女性は、なぜ閉経後、長く生きるのか。
多くの哺乳類のなかで、人間には「おばあちゃん」と呼ばれる期間があるのはなぜかという「おばあちゃん仮設」を分析している。
なぜ、閉経後の女性が元気なのか。
これは、閉経前後で体調をくずしている女性にも、男性にも参考になる。

「月刊清流」4月号のカマタ流生きるヒントでは、沢村貞子さんの「おまえさんのところも大事におしなさいよ」という言葉を使って、隣国同士が仲良くなる方法を考えている。
「お大事に」「ええ、おたくも」という感覚があるといい。

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ぜひ、お読みください。

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がんばらない経済学⑰

雇用期間が決まっている有期労働契約で働く人が、なんと1410万人いるという。
これは、全労働者の4分の1にあたる。
これでは経済がよくなるはずがない。

要するに、1410万人の人たちは不安を抱えていて、内需の推進者になれない。
いい消費者になってもらえないということである。
それは、この人にとっても不幸であるが、国の成り立ちとしても不幸である。
このブログでも再三言ってきたが、実は、日本は中国やドイツ、韓国と違って、内需国なのだ。
その内需国の日本で、内需の推進者になりにくい、有期雇用の人たちが1410万人もいるということは、いかに政治がこの国のあり方を意識していないかを示している。

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政治家たちは、この国の形をもう一度学んでほしい。
そして、どうしたら国民が幸せになるかを考えてほしい。

小泉政権時代、雇用の法律が変わって、一時、経済が上向いたように見えたが、非正規雇用が広がり、日本の雇用は虫の息である。
もう一度、雇用のあり方を考え直し、場合によっては法律の手直しをする必要がある。
少なくとも企業は、円安効果によってあげている利益を、雇用拡大へと向けるようにすべき。
それが内需を拡大し、自分たちの企業が生き延びていく力になるはずである。

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2013年3月12日 (火)

鎌田流・健康レシピ⑬~DHA、アラキドン酸

猿人は木の実などの植物だけを食べていた。
そのため、脳は350㏄から発達せず、100万年前に絶滅する。
しかし、骨髄の脂を食べていた猿人は生き残り、やがて原人やホモ・サピエンスへと脳を大きくしながら進化していった。

脳は、60%が脂でできている。
DHAは脳の約10%を占めている。
DHAはご存知のように、サンマやイワシ、サケなどに含まれている。
脂ののった魚を食べると、脳の働きがよくなるだけでなく、精神的な安定作用があるといわれている。
子どもの脳を発達させるためにも重要な働きをしているという。
子どもを魚嫌いにさせないことだ。

Dsc00184 DHAたっぷりのイワシの煮付け

同時に魚にはアラキドン酸といういい脂が含まれている。
これは、肉や卵などにも含まれている。
子どものときから、野菜だけで育てようとすると、脳の発達に影響してしまう。
バランスが大事。野菜も大事だが、魚や肉、チーズなどをとることが大事なのだ。

アラキドン酸はオメガ3といういい脂につながっていく。
海馬という記憶に関係する脳の部位に、アラキドン酸は影響を与えるので、高齢者の認知症予防にも大事ということになる。
働き盛りの人のうつを予防するのにも、魚の脂EPAが大事だ。

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2013年3月11日 (月)

お知らせ

12日、午後5時45分~7時30分まで、諏訪中央病院研修センター3階で、諏訪東京理科大学教授の篠原菊紀先生の「快感回路と依存のしくみ」という講演がある。
あわせてアルコール依存症の本人の体験談もある。
マスコミでも有名な脳神経学者・篠原先生の講演。
ギャンブル、セックス、アルコール、仕事などの依存症の人は、ぜひ。
鎌田もちょこっと登場する。

13日、午後2~4時まで、鎌田が諏訪中央病院のほろ酔い勉強会に登場する。
産婦人科の青山先生と命や健康、出産の話などをする。

ぜひ、ご参加ください。

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原発事故536

ひらた中央病院の公益財団法人 震災復興支援放射能対策研究所では、3万8000人の体内被曝の検査をした。
12歳以下でセシウム20ベクレル/キログラム以上検出された子どもは、昨年3月以降一人もいない。
同じように15歳以下でも、昨年3月以降ゼロである。
とてもいい傾向だ。
だが、安心してはいけない。

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チェルノブイリでは50ベクレル/キログラム以上を体内被曝者としてカウントしている。
1万9000人の小さなベトカという町では、今でも毎年、新規の体内被曝者が50~60人発生している。
だから、福島でももういいと思い込まずに、最低、年1回測定することが大事だ。
南相馬市では子どもたちに年2回の体内被曝測定を決定したようだ。
南相馬市の取り組みは、とても丁寧だと思う。
こうした取り組みは、福島県がリードして県全体で展開していくべきである。
県内には、ホールボディカウンタが40台近く設置されている。
県がリードすれば、すぐにでも実現できると思う。

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体内被曝が認められた人の数は、15歳以下では昨年5月からはゼロ。
12歳以下では、昨年3月までわずかに出ていたが、4月からまったく出ていない。

今後も体内被曝の測定を続け、ゼロであることを確認しつづけていくことが大事だ。
将来、結婚できるだろか、子どもを産めるだろうかと不安をもつ子どもたちに、心配などしなくてもいいと言ってあげることができる。

世界を納得させるためにも、日本国内での風評被害を減らこともためにも、そして、福島の子どもを安心させてあげるためにも、データを積み上げていくことが大事だ。

国と県はあまりにも、「見えない放射能」を見えないままにしてきた。
姿勢をあらためるときだ。

                                        □

ひらた中央病院で3月から甲状腺検診が始まった。
子どもに関しては無料で行う。
エコー検査を中心にしながら、甲状腺ホルモンの血液検査も同時に行う。

県内、県外問わず子どもの命を守るために、みんなで早く検診を進めるように協力しあうというのが、あたりまえの方向である。
協力し合って、データを共有することが必要である。

甲状腺検査の問い合わせは、0247-57-5012(月~金、午前9時~午後4時)

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2013年3月10日 (日)

学生時代の困ったカマタ

大学時代の野球部の同級生から久しぶりに手紙がきた。
岡山県新見市に講演に行くことを知り、この町のおいしいラーメン屋さんを教えてくれたのである。

ちょうどお父さんの介護をしているという。
ぼくに在宅ケアの話など、ぜひ、しっかりと話してほしいと書かれていた。
問題はここから先。そのあとに続く文章に、ぼくは驚いた。

「大学6年間、先生と同じ野球部で過ごしたこと、今でも鮮明に思い出されます。
会津磐梯、熱海での合宿で、先生に四の字固めにあったこと」

えっ? ぼくはこんなこと、全然覚えていない。
こんなこと、まさかするとは思えない。
ぼくはこういう学生だったのかな。

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「恐怖の7.8.9と呼ばれたこと」

野球の下位打線のことだと思うが、自分たちのチームの下位打線に対して、そんなふうに呼んだ覚えはまったくない。
ただ、ダメなキャプテンをしていたので、こんなことを言ってしまったのかもしれない。
カマタ流のほめ言葉で、突然すごいことを起こす下位打線ということを言いたかったのかもしれない。
身に覚えはないが、学生時代のぼくをそう弁護しておきたい。

「競馬の天皇賞でヤマニンウエーブとパッシングゴール3-7で万馬券を当て、先生から配当をもらったことなど、思い出は数数えきれません」

この記述に至っては、驚きでしかない。
万馬券など当てたことなどない気がするが、同級生の記憶力はすごい。
運だけで生きてた学生なので、万馬券という運もありえないことではない。
久々に同級生の手紙を見て、大笑いしてしまった。

ぼく自身は、かなりまともな学生だと思っていたけれど、周りからはあまりそうとは思ってもらえなかったようだ。
無頼漢と言われたこともある。
無法青年だったのだろう。
わがことながら、困ったものである。

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2013年3月 9日 (土)

鎌田劇場へようこそ!(133)

「わすれないふくしま」

四ノ宮浩監督作品。
たくさんの人にみてもらいたい。
静かな怒りが全編にみなぎっている。
ふるさとを奪われた人の悲しみ。
働く場を失った人の憤り。
「原発さえなければ」と壁に悲痛な叫びを残して、自ら命をたった菅野さん。

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たくさんの命が奪われた。
たくさんの夢や生きがい、希望を奪われた。
そのなかで必死に生きる人たちの姿が淡々と描かれていく。
ぼくたちがどれほど大きな間違いをしたかがわかる。
美しい福島を、ぼくたちは忘れてはならない。

「先祖になる」

池谷薫監督作品。
いい映画だ。
主人公の佐藤直志というおじいちゃんがなんとも素敵。

陸前高田で息子を津波で亡くし、家が崩壊した。
それでも、仮設住宅に住むことを拒否し、津波で残ったすきまだらけの家にベニヤ板を張り、生活をはじめる。
77歳の老人が、「家が流されたら、また建てればいい」とすべてを受け入れながら、新しい家を完成させる。
いい笑顔をしているのだ。

こんなおじいちゃんになりたいと思う。
ぼくとは一まわり違う。
あと12年でこの域に達することができるか、ちょっと自信がない。

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今度、陸前高田に行ったときには、佐藤直志さんに会ってみたくなった。
佐藤さんを支える菅野さんも魅力的。
ぼくと一つ違いの団塊の世代。
東北大学に入ったけれど、学園紛争に嫌気がさし、2年で中退。
ふるさとに帰る。
みそやしょうゆなどの製造販売をする。
この菅野さんが、佐藤さんをあたたかく支えるのである。
この友情がなんともいい。

「わすれないふくしま」と「先祖になる」は、同じように震災後に生きる人たちを描いたドキュメンタリー。
だが、決定的な違いは、「見えない放射能」が身近にあるかどうか、だ。
福島では、やはり放射能との戦いが深い傷を残している。
「先祖になる」は、希望に満ちたとてもすてきな映画である。

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新潟で講演

急に気温が上がって春めいてきたが、まだ雪に苦しめられている地域もある。

トンネルを越えると雪の世界。
先日、新潟市の看護協会に講演しにいった。

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ナイチンゲールを取り上げたNHKBSの「ザ・プロファイラー」に、ぼくもコメンテーターとして出演したが、その番組をみた人たちがいた。
講演では、ナイチンゲールの話をきっかけにしかながら、相手の身になることの大切さを話した。

信州も雪で大変だが、新潟は何倍も大変そうだ。
北海道などでは大きな被害が出た。
はやくは春が来ることを祈っている。

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2013年3月 8日 (金)

鎌田流・健康レシピ⑫~亜鉛

味覚障害により食欲を落とさないために、亜鉛をとることが大事だ。
この亜鉛は、細胞分裂の際にも必要といわれている。
亜鉛が少なくなると、免疫細胞が少なくなる。
かぜを引きやすくなるし、がんにもなりやすくなる。

亜鉛たっぷりのものといえば、牡蠣。
昨年末、広島県の笠岡から一斗缶で殻つきの牡蠣をいただいた。

Dsc00261 亜鉛たっぷりの牡蠣

山盛り蒸して食べた。
冬は夏の10倍もうみまがでる。
うまみの元は、グリシン、アラニンというアミノ酸とグリコーゲンだ。
亜鉛を吸収しやすくするには、レモンや柚子、スダチなどをちょっとしぼったり、ポンズなどで食べるといい。
低下カロリーで、鉄なども豊富だ。

1302251__ ぼくの好きなソラマメ

そらまめも比較的多く含んでいる。

時々、亜鉛を意識して食べるようにしよう。

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2013年3月 7日 (木)

お知らせ

9日は、村上信夫さんと鎌田實の「いま聴こう! 福島の声を」(文化放送、18~19時)を放送する。震災から2年の福島を、2人で歩いて取材をしてきた。
ラジオ福島では、同日19時から放送される。

ぜひ、お聞きください。

10日のNHK「ラジオ深夜便」(10日23.10から11日5.00)で、加藤登紀子さんと福島県の詩人・和合亮一さんのライブ・イン福島の様子が放送される。
「ふくしま うた語り」のなかに収録されている「貝殻のうた」や「神隠しされた街」も流れる。

お楽しみに。

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原発事故535

再び原子力ムラがうごめきだしている。
原子力ムラに再び勢力をもたせないように、おさらいをしておきたい。

2006年、原子力安全委員会の分科会第48回で、石橋克彦さんは原子力安全委員会の対応の鈍さをみて、「日本の原子力安全行政がどういうものかかわった。社会に責任を果たせない」として、委員を辞任している。
彼は「大地震が起きれば、長時間外部電源が止まって、早急に修理されない可能性がある。
激しい揺れで備蓄燃料が漏れてしまうことがあり得る。
非常用の発電機が立ち上がらないことがなきにしもあらず」と述べている。
石橋さんが危惧していた通りのことが起きたのである。
原子力ムラはこれを封殺した。

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福島第1原発1~4号機の原子炉格納容器はGE社製であるが、すでにGEの社員から「小さくて貧弱」と指摘されていた。
これを設計したデール・ブライデンボーも、冷却機能が失われると、内部からの圧力で損壊してしまうと懸念を表明しているのである。

また、2009年、経済産業省の専門家の会議で、地震の専門家の岡村行信さんが1100年前の貞観津波を例にあげ、福島第一原発の見直し案を批判している。
震災前から危惧していた人の声を原子力ムラが無視したのである。

石橋さんとブライデンボーの指摘、そして、岡村さんの主張に耳を傾ければ、どうしたらいいかはすべてわかっていたのである。
きちんとした科学的な議論が行われない原子力ムラのやり方が、再びおこなわれないようにしないといけない。

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2013年3月 6日 (水)

赤とんぼ

JIM-NETのチョコ募金に協力してくれた歌手の神野美伽さんから、「北港」と「赤とんぼ」という曲が入っているCDが送くられてきた。

「赤とんぼ」は、福島を拠点に活動しているユニット IN THE WINDの曲をカバーしたという。
初老の男性と老いた母親の物語、なかなかいい歌である。

「日曜はがんばらない」でテーマが合うときがあったら、いつか流してみたいと思う。
ぜひ、お聞きください。

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お知らせ

本日6日午後7時から、BSジャパン「NIKKEI×BS LIVE 7PM」に出演する。
前回は、鎌田實の「死ぬ準備」。遺言の準備が好評だった。

今回は、「健康で長生きする5大秘訣」と題して、免疫について語る。
免疫とは何か、免疫力を上げるにはどうしたらいいか。5つの視点でお話をする。
ぜひ、ご覧ください。

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原発事故534

経済産業省のエネルギー基本計画をまとめる有識者会議のメンバーが入れ替わった。
政権が変われば当然、各種の委員会のメンバーが変わるのは当たり前であるが、新しいメンバーにするときには、それなりの哲学をもつべきだと思う。

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特に原子力に関する委員会は、原子力推進論者だけで構成されたために、きちんとしたリスクマネジメントができなかったという反省があったはずだ。
なのに、エネルギー基本計画有識者会議が、脱原発をすすめる委員から原発推進の委員へ変更されている。
あまりにも哲学がなさ過ぎる。

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2013年3月 5日 (火)

原発事故533

公益財団法人 震災復興支援放射能対策研究所や、南相馬市立総合病院、相馬市立病院などでは体内被曝の被爆量をベクレル/ボディ、ベクレル/キログラムで表記している。

福島県では預託実効線量という方法で発表している。単位は、ミリシーベルトになる。
約9万人の検査が行われ、1ミリシーベルトが14人、2ミリシーベルトが10人、3ミリシーベルトが2人という結果が出た。
おそらくこれは震災直後の放射能雲などを吸い込んだ人たちの可能性がある。

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ベクレルとミリシーベルト、データの処理の方法が統一できておらず、混乱する。
単位を統一することなど、そんなに難しい話ではないと思う。
県民健康管理調査検討委員会は秘密会議などしていないで、データ処理の方法を統一して、きちんとオープンにすべきである。
こんなことも決められない検討委員会なら、すぐに改編すべきである。
子どもを抱えているお母さんなど市民を委員会に入れて、専門医たちの非常識を打ち破らないといけないと思う。

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2013年3月 4日 (月)

韓国で芥川ブーム

韓国で、芥川龍之介の小説が翻訳されているという。
芥川ブームがおきているらしい。
いいことである。

Dsc00269 岩次郎小屋のニセアカシア

韓国には、日本語を読み書きできるお年よりがたくさんいる。
同時に若い人たちにも、一時、日本語を学ぶブームがあった。
言葉の交流は、技術の交流を生み、いまの発展につながった。

竹島の問題で、韓国も日本もヒステリックになっているが、韓国で日本の小説を読む人が多いというのは、最後の一線を越えない抑止力になるはず。

ぼくもこのころ、韓国映画を何本か推薦してきた。
芸術や文化に関して、いいものはいいと言える人がいることが大事なのだと思う。

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2013年3月 3日 (日)

鎌田實の一日一冊(167)

「気仙川」(畠山直哉、河出書房新社、3360円)

写真集のような詩集のような、なんだかわからないがほっとけない本である。
陸前高田の看護師さんから送られてきた。

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何度も何度も見直している。
震災前と後の写真が、美しさとおそろしさを見事に語っている。

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2013年3月 2日 (土)

鎌田實の一日一冊(166)

「風力発電 挑戦から未来へ 原発事故後のエネルギー」(松宮煇著、東洋書店、2310円)

原発にかわって、自然エネルギーのなかで最も期待されている風力発電。
風力発電に命がけで取り込んできた松宮さんの渾身の本である。

風力発電がどれほどすばらしくても、地域独占の弊害や電力の自由化が行われていないことなどにより、なかなかそれ以上に広がらない。
時代遅れな社会の仕組みを変えなければならない。
前近代的な市場のシステムを変えなければいけない。

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原子力から風力へ、ヒステリックにならず、科学的にどうやって切り替えていくか。
エネルギー問題を頭のなかで整理したい人にとっても、とても参考になる本だと思う。

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2013年3月 1日 (金)

鎌田實の一日一冊(165)

「月の輪草子」(瀬戸内寂聴著、講談社、1365円)

清少納言が、和泉式部や紫式部のことをどんなふうに思っていたのか。
寂聴さんの想像なのだが、清少納言が寂聴さんにおりてきているような感じがしないでもない。

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「男たち・・・もう顔も忘れてしまった。男の体の特徴なんて、誰と誰がごちゃごちゃになって格別な思いなんてない。ただ不思議にささやかれた愛語や手紙の一説が昨日のことのように思い出されることが・・・」

「『枕草子』・・・ああ、そんなもの書いたようだけれど、自分が書いたことを忘れるくらいだもの、人がいつまで読んでくれるかなどと大それた期待がない」

こんなことを90歳近くになった清少納言に語らせている。
小説だとわかっていても、本当に清少納言がこんなことを考えていたのではないかと思うような仕掛けになっている。

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